自分らしく生きたある若い女性の話、としてのリンドグレーン。【その1】
公共図書館で働いていた時、保護者から一番よく尋ねられたのは、『アストリッドリンドグレーンの作品がどこにあるか』だった。もっともよく尋ねられた作品は「はるかな国の兄弟」と「山賊の娘ローニャ」。ピッピやエーミルも大人気なことは間違いないが、特にこの二つの作品は、子どもとぜひ一緒に読みたいと思う親が多い。デンマークの作家ではない彼女の作品は、児童図書館でアンデルセン以上に圧倒的なポジションを確立している。
正直に告白すると、あまりにもよく知られている作品であるにもかかわらず、わた