【SAP】内製化

先日受講したSAP主催のセミナーによると海外での企業内のITシステムの新規開発・運用などを外部のITベンダーに任せる比率は全体の3割程度だそうです。一方、日本は正反対でITベンダーに任せる比率が7割で残りが社内での対応になっているそうです。

この比率は日本でも今後変わってくるのではないかと予想しています。つまり、内製化が進むのではないかと考えています。

理由は3つあります。

一つ目は、スピードです。新しい技術トピックが次々と出てくる最近の状況やビジネス環境が目まぐるしく変わる現状では、すばやくそれに対応したシステム化が求められます。

ベンダーに依存しているとどうしてもスピードが遅くなりがちです。見積・計画・契約などの調整にも時間が掛かります。その間に更に環境が変化してしまうことも考えられます。

SAPの基幹系の部分は、高い品質が担保されることが最優先であることは今後も変わらないでしょう。しかし、基幹系から派生するサブシステム、例えば、分析系の機能については、品質よりもスピードが重視されてくると思います。まずは、β版をすぐにリリースして、使いながら品質を上げていこうというアプローチが必要になってくるでしょう。

そのような状況では、外部リソースに頼るより内部のリソースで対応したほうが機動力が活かせるように思います。

2つ目の理由は、新型コロナの影響による経済環境の悪化です。新型コロナがどの程度まで経済に悪影響を及ぼすかは見通すことは難しいですが、相当広範囲に長期間に経済鈍化が進む可能性が高いです。そうなると売り上げの現状に伴うIT予算の削減は避けられなくなるでしょう。また、企業としては外部へのキャッシュ流出をできるだけ抑制する動きが進むでしょう。

このような流れで、ITベンダーに任せる(=外部へのキャッシュ流出)部分を減らして、内部でやれることはやっていこうと言う動きが出てくるのではないかと思われます。

3つ目の理由は、SAP関連の学習環境の向上です。

少し前までは、SAPのことを学ぼうとするとSAP社やパートナー企業が主催するトレーニングをオフラインで受講する選択肢しかありませんでした。ネット上での情報も不十分でSAPを学ぶにはコストと時間が必要でした。

最近は、オンラインでの受講も可能ですし、最新の技術に関しては、SAPが無料で情報提供をしています。(英語が多いですが、英語が母国語ではない各国の視聴者を意識して作られているので十分理解できると思います)また、社内で行った講習会などを録画しておいてオンラインで視聴すると言ったこともZOOMやTeams会議の録画機能などを使って簡単にできるようになってきました。

ネット上のSAP関連の情報を以前に比べて、かなり、充実してきていています。

このように内製化を進めるハードルは下がってきているように思います。

とはいえ、SAPは専門性が高い領域も多くあります。

アドバイザー的に頼れるITベンダーと継続的な契約をしつつ、自分たちでできるところについては内製化を進めていくのがリスクを最小限にして大きな成果を上げるやり方ではないかと考えています。

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