【SAP】カスタマイズ、アドオン
SAPを導入する際、導入企業の業務に合わせて組織設定、勘定設定、画面の表示項目などを設定していきます。
これらの作業を「パラメータ設定」と言います。
パラメータで設定した値は、SAPのテーブルに保持されます。
したがって、将来的にアップグレードを行ってもそれらの設定はそのまま保持され、利用可能です。
一方、SAPの標準機能でカバーできない機能を独自に作ったものをアドオンと(アドオンプログラム)言います。
アドオンは、SAP専用の言語であるABAPを使って記述します。
ちなみにSAPのアプリケーションも基本的にはABAPですべて記述されています。
アドオンは、標準機能のプログラムとは別名称でないと作れないようにシステムで制御されています。
したがって、標準機能とは別名称で作られたアドオンプログラムは、アップグレードをしても残りますし、逆にアップグレードがアドオンのせいでできないと言うこともありません。
アドオンではなく、SAP標準のプログラムを修正することをモディフィケーションと言います。モディフィケーションは余程の特殊な事情がない限り禁止です。
と言うのも標準のプログラムを修正してしまうとアップグレードの際に変更をかけた元のソースが変わってしまうことがあるからです。そうなると変更された元の標準プログラムの変更内容に合わせてモディフィケーションをやり直さなくてはなりません。また、アップグレード以外でも修正用のパッチが提供されることもあるので、その際も悪影響が起きます。
以上のようなリスクがあるので、モディフィケーションはやらないのが基本です。
さて、このモディフィケーションのことを他のERP製品では、カスタマイズと言ったりします。ややこしいことにSAPのパラメータ設定のことも以前はカスタマイズと言ってました(今でも使う人がたくさんいますが)。
これは昔のSAPジャパンの情報発信ミスとも言えるのですが、この言葉の混乱に乗じて、
「SAPはカスタマイズを大量にしないと動かない」
と言った情報を流して、さも、SAPは大量のコード修正をしないと動かないかのような印象を与えられた時期がありました。
上記の実際の意味は、パラメータ設定をしなくては動かないと言う意味ですが、パッケージソフトはどのソフトでもパラメータ設定をやらなければ動かないので、当たり前のことを言っているにすぎません。
今でもこの辺りの説明をいい加減にしている方もいるので、注意しましょう。
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