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最近思うこと

最近、よく聞く言葉ランキング一位のDX。

デジタルトランスフォーメーション

行政のなかでも、情報部門だけやればいいと思われがちです。
しかし、D=Digitalではなく、D=designこっちのほうが自分的にしっくりきます。
よく紙文書をデジタイゼーションと称して、業務効率化を図る…これが、DXだ!!こういった、惜しい解釈が行政の現場ではよくされていると思います。

難しいこと考えずに、デザイントランスフォーメーションしてみよ。

  • その「業務」を継続する必要があるのか

  • その「業務」によってだれが得するのか

  • その「業務」は誰のためのものなのか

この辺りを、念頭において、いままで自分がやってきたこと、組織がやってきたことを疑っていく、そこから「リデザイン」していくことが「重要」なんだと思います。
うまく説明できないのであれば、そもそも、その仕事を疑う必要もあります。
今一度、「あれ?なんでこれやってんだっけ?」って考えてみてはいかがでしょうか。

市役所といえば、「窓口=行政サービス」だと思いますので、その辺りについて自分なりのDXの観点でお話させていただきます。

行政サービスと言われるもの

個人的に、今の「行政サービスは迷惑なくらいに行き過ぎている」と感じています。公務員という立場上、公平性を優先してしまいニーズについて把握をおろそかにしている気がしています。


いいね!と、思うサービスは、必要なものを、必要な人に、その人の必要な状態で届ける。

行き過ぎたサービスは、必要と思われるものを、全員に、決まった形式で何度も届ける

例えば、税金の口座振替についてです。
口座振替をした後に、口座振替通知書を納税者に送付している事例があります。
まさしく、行き過ぎたサービスだなと思います。
きっと、誰かが「いつ振替になったかわからないだろう!」って、苦情を言ったんでしょうね。年度当初に口座振替通知を送付にしているのにも関わらず…

それって、誰が得するのでしょうか?

  • 通知書作成にかかる人件費

  • 通知書送付にかかる郵送費

  • 受けとった後に捨てる手間

これが、毎月発生する訳です。通帳記帳しなければわからなかった時代は、よかったのかもしれません。今はどうでしょう?
アプリでも取引履歴が確認できますよね。

役所的な立場で考えると

  • 送付しておけば苦情に繋がらない

  • 一度始めたサービスをやめられない

  • 全員がいいって言わないと変えられないが

このような、行政特有の体質がこびりついていて、なかなかマインドを変えていけないのだと思います。

本来あるべき姿を想像する

さまざまな立場があり、改革することは難しいですが、我々地方公務員は、「自分が住む街がどうあるべきか?どういうサービスだと納得できるのか?」
これに尽きる気がします。
例を挙げてお話します。

DXを検討してみる(例:特定健診業務)

先ほどの例とは別のものですが、私の原課時代のお仕事の話をします。
生活習慣病に着目した特定健診(40歳以上が受診可能)の受診率を伸ばす仕事です。
簡単な業務の流れは以下です。

  1. 特定健診の受診券を40歳以上の国保加入者に発送(1回/年)

  2. 送付されてきた対象者は自分が受診したい健診を申し込む(電話で役所か病院へ)

  3. 当日受診券を持参して受診する。

この業務は、「厚労省が定める健診業務であり、生活習慣病が疑われる年齢層に対して特定健診を受診してもらい、健診の結果について生活習慣の改善を促し(保健指導)、重度の糖尿病などを事前に要望し、被保険者QOLを向上を図ることを目的とした業務」です。

  • 国が制度化している健診であり特定健診業務自体は継続必要

  • 受診することで、本人の生活習慣改善の契機となる

  • 生活習慣病を予防することで、本人のQOLが向上し、かつ、医療費の削減も可能(希望的観測…)

※ちなみに、糖尿病は透析まで行くと、一人当たり500~600万の医療費が年間でかかります。

課題分析

私の課題は、そう、「受診率が伸び悩む」ことです。
そのあとの特定保健指導により、どの程度生活習慣が改善するか…とかは長くなるので割愛します。

単純に受診率が上がればそれだけ、特定保健指導で介入できる人が多くなります。なので、受診率が上がらない限りはQOLの向上とかは望めません。
まずは、数字を伸ばす。

で、3年間当該業務に従事し、気づいたことがあります

  • 前年に受診した人は、「前年と同じ病院、同じ月」に受診する人が多い

  • 市役所への電話予約は、稼働年齢層に向いていない(仕事中に電話できない)

  • 受診券を当日病院に持参することを忘れる人が多い

なるほどね…自分事としてとらえると何のことはない。
1年に1回しか受診できないなら、1年間おきに受診したいし
仕事中に、電話で予約なんて忘れてしまうし役所に電話なんて億劫だ…。
役所からきた書類なんて、どっかに失くしちゃうし

まぁなんて役所って不親切なんでしょうか

本来あるべき姿(こうあってほしいな)

  • 受診したその時に、受診予約したい
    病院の窓口でマイナカードをピッてやったら予約画面に飛ぶとか、役所の申請フォームから来年度の分を予約できるといいですよね。ちゃっかりデジタルトランスフォーメーション(笑)
    来年度のある程度の予約件数を把握できれば予算編成も楽ちんになるし。

  • 「電話じゃなくて、24時間365日受付可能な電子申請がいい」
    電話で予約するとどうしても、病院ー市役所ー本人でやり取りが何度か発生してしまいめんどくさいんですよね。LINEとかで通知くれればその時に申請するのにな…

  • 「受診券は直接病院に送っておいてほしい」
    制度的にOKなのか疑問ですが、受診券が欲しいのは市民じゃなくて、対象者が受診した病院なので…

できるかどうかは別として、こんな感じで考えていければいいのかなって、思います。

自分がサービスを受けるなら、こんなスキームだと幸せだな。っていう、そこに尽きるかなって。
ただ、そこで自分本位になってしまうのも良くなくって高齢者だったり、ハンディキャップがある人だったり…その人たちのニーズも把握することも重要だと思います。

併せて、高齢者もハンディキャップのある人にも、尊重の気持ちを大事に接していきたいなと思う今日この頃です。

めんどくさくなってきたので、この辺で…

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