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6月9日:大和貝煮

艦これで大和改二が来てやっぱりうれしくて小躍りしちゃう。
しかもステータスもだいぶあがってこれぞ最強最高最後の戦艦大和に相応しい出で立ちよと誇張なしに震える。
巨大な砲塔に突き刺さる連装砲は51サンチ砲を思わせるし、その後ろにハリネズミのごとく砲身を上に掲げている長10サンチ砲の乱立は航空機なんかに負けないぞという意志の強さを感じる。
ああ、これだけ大和に長10サンチ砲が付いていたら沖縄にたどり着いたのかなあなんて今時小学生でも見ないお気楽ボーイな夢を見させるその姿についついうっとりしてしまう。

本当に現金なもので同じスペックの武蔵には、三菱造船長崎製作所で作られた武蔵には同じような感情を抱かずに、呉海軍工廠で作られたロンドン・ワシントン海軍軍縮条約後に作られた最後の戦艦、その一番艦大和だけにはなぜか心を動かされるのである。

ここまで書いてだいぶ気持ち悪いなあと思ったけど、やっぱり大和は別腹なのだなあと、それは兵器だから戦艦だからとかそういう事ではなく、大和というキャラクターが持つどうしようもない問答無用の格好良さ、他の戦艦にはない究極の戦艦としての形、その名前が大和という古い日本の呼び名である事に、作り上げた人間達の陶酔、自惚れを感じながらまだ戦争経済も知らないときに見た、単艦としての比類無いスペックに裏付けられた強さの証明、それを何度となく見てきたから戦艦大和というキーワードに何度も反応し、時には「貴重な国費の無駄遣いの象徴」と罵倒したり「日本人の美意識の象徴」と持ち上げたりするのだから忙しい。そう、小さいときに大和に恋した少年は何度も大和の夢を見る。アホみたいに何年か毎に繰り返し夢を見る。

「大和は当時の建造技術のレベルアップに大きく貢献した、西島カーブの工数管理こそ戦後発展の礎だ!」

っと言われればそうかそうかと手を叩く。

「あんな旧来のリベット構造で浮沈艦なんて笑わせてくれる、欠陥だらけだ」

っと言われるとそうかもそうだよなあと肩を落とす。
そんな感じで時代時代でころころと評価が変わる大和という戦艦はずっと歳をとっても永遠の謎を提示してくる。
さらには実際の戦闘では何一つ役に立たず、軽空母に風穴開けただけの実績がほぼ確定となり、大した戦禍もなくやけくそ気味に特攻して自爆したと海外のミリタリーファンからはバカにされる。

そう、大和は矛盾の固まりでありとにかくその歪な美しさが魅力なのだ。
どう考えても日本の戦艦では唯一の近代的なスタイル、唯一の三連装砲塔を搭載した戦艦。あれだけ連装砲塔に拘り艦幅を細くして速力に拘った日本海軍が遂に敵艦よりも有利な速力を諦めて、迎撃艦として腹を括った思想が見て取れる、戦後も戦艦を維持しつつづけた世界の海の支配者、合理主義者のアメリカも三連装砲塔以外の戦艦は遂に作らなかった。

恐竜的進化を遂げた戦艦が辿り着いた唯一無二の正解が三連装砲塔三基、二基前方配置、一基は背負式で置くのがモダニズム、なぜイギリスは四連装、二連装、背負で四連装の配置にしたのかは今となっては分からないけど兎に角大和のデザインは戦艦としては最高にモダンなのだ。
そこへ重い砲塔を重量バランス的に最適にするための大和坂と呼ばれるなだらかな甲板のカーブ、パコダマストと呼ばれた巨大な鐘楼は消失して絵だけ残っている安土城の天守閣を思わせるような細く高く建てられていて、日本人の木でモノを作る時の感覚があの形にさせているような気がする。

その後ろには日本の艦船の特徴でもある斜めに配置された太い煙突が大和の巨体を動かす機関の大きさを示している。
選手から艦尾まで爆風を避ける為に無駄な突起の無い合理的な姿、旧来の艦艇にはごちゃごちゃと着いていた航空艤装や短艇収容施設など全て甲板下に設置する収納上手なところもごちゃごちゃと乗っけがちな日本海軍の中でも図抜けた格好良さを誇っている。

こんな風に大和のデザインの格好良さはいくらでも書ける、書けるからほぼこれで日本の戦艦は、世界の戦艦のデザインはおしまいなのが本当に寂しい、だから大和は最初で最後の戦艦で、大和の前に戦艦は作られず(ネイビーホリデー)大和の後に戦艦は作られなかった(必要ないからね)。

ヴァンガード?
あれはしっちゃかめっちゃかに作りすぎて沢山でた廃プラを寄せ集めて作っただけだから、そこに戦艦としての目新しさなんか無いさ(暴論)。
アイオワ級も巡洋戦艦でしょ?殴り愛する戦艦じゃ無い、けど映画バトルシップでめっちゃ格好よかったなあ(感想)。
だからこうやって大和は熱く語ることもできればもう戦艦って時代じゃないでしょ?バカなの?っと冷めたことも言いたくなる、そんなシンギュラリティーでもありポイント・オブ・ノー・リターンが大和なのだと酔ってないけど酔ったような事を言いたくなるのが大和なのである。
ここまでとっちらかった文章を見てやっぱりキモいのですが、こればっかりはずっと完治できない病気なのだと艦これで女の子になった姿を見てもこれだけ発作が出てくるのだからこの病気も末期である。

しかし艦これの大和改二の絵もやっぱり良いなあ、腰高スカートであえて太股の露出を抑えながらもスカート裾のステッチからニーソックスへの流れるような視線移動、盛り上がった胸部に乗っかる大和型の船首に錨のような飾緒、笑うでも誇るでもなくただ前を見据える姿は幼く見えた前の立絵から大人びて見えて一番大人びた身体に一番幼い心が宿る大和も成長してるのだなあと、9年闘ってる我らの同情を誘っているのか・・・・・・って感じで最高ですね。

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