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6月7日:デッデーン

いつものようにNetflixに進められるままドキュメンタリーを観てしまうのだけど、今回見のは「アダム・コノヴァーと"せ"は政府の"せ"」っていう、アメリカの スタンドアップコメディアンが色々なアメリカ政府、連邦政府がやってることの凄さやデタラメさを分かりやすくコミカルに解説してくれる番組なのだけどこれがけっこうおもしろかった。

アダム・コノヴァーと"せ"は政府の"せ"

まず最初に出てくるのがあのバラク・オバマ前大統領(本人)で、彼が税理士に頼まないで自分で納税書類作るところに司会者がお邪魔するところから始まる。

司会者がアメリカ連邦政府というのはアメリカでも「無能の象徴」として、忌み嫌われているがアメリカ人の16人に1人が関わっているほどの巨大な組織がどのような目的で動いているのかを実際の職場、それはワシントンのオフィス街じゃなく、食肉加工工場やハリケーンの中に突入して大気情報を計測するC130の改造機の中などから最前線で政府の仕事をする様々な人々達を追いながらレポートしてくれる。

色々なところで連邦政府がなければ食品安全や天候災害、金融危機などからどれくらい守られてるか、またそれらがどうしてうまく行かないのか?
例えば金持ち・大企業優遇策などの所得の再分配などの問題がどうして起きるのかを様々なデータを元に司会者が皮肉を交えてレポートしてくれるのが面白いし、最初は日本語字幕に隠れてて気がつかなかったけど、データの話、アメリカでがどれくらい食肉加工がされてるとか数字で表すときにその出典元が小さく示されてたり見せ方がうまいので関心してしまう。

番組で最後にオバマ前大統領は言う、連邦政府も運用してるのは同じ人間でミスもすればうまく調和がとれなかったり間違った考え方で仕事に取り組む人もいる。とにかくアメリカという巨大国家を動かす連邦政府というのは想像以上に大きく、予算やら規制やらで動けなくなりつつも、日常生活を支えている大事な組織だと。

だが巨大でなおかつ人間が運営する組織は間違いを重ねて時代の変化に対応できず害悪をもたらしてしまうこともある、そう言う状況へ変化を求めても政府という大きな「定期船」は進路を変えるのはとても時間がかかる、チェンジと唱えて大統領になったオバマ大統領が番組で

「設計上この国の変化は難しい、今までの大統領は皆ある時点でこう思ったと断言できるよ「僕を一日王様にしてくれ、そうすればただ勅令を発行できる」

皆で決めるという民衆主義というのは意思決定の分散化ということで、それは大きな悲劇を起こさない代わりに、愚鈍で常に変化しない事への苛立ちとの戦いになる(この辺はよく日本の首相よりアメリカ大統領の方が大きな権限を持ってるからリーダーシップが取れるという言説と真逆で面白い)。

なので簡単な方を選べば、絶えずに諦めて冷笑主義に陥るとわがままで欲張りで意地悪な奴らが隙間を埋めてくる、彼らはそういう環境が好きだ。そんな風にオバマ前大統領は現状を皮肉っていた。
どこの国でも怠惰が国を蝕んでいるのだろうかと思わせる内容だった。

そんな感じで番組はとても面白かったけど、ふとNetflixで日本に居ながらアメリカの政府機関の問題を知ると言うことはどういうことなんだろう、不完全とはいえ日本語字幕付きだ。
こうやってアメリカは何億人の人間に自国の不都合な真実を知らしめることができる、それは一方で観れば恥ずかしいけど、権威主義国家から観れば自国の不都合を自由に議論できるという「民主化」の良い例になるのではないだろうか?

この番組を見てアメリカはダメだなあという感想は抱くが、それこそ自由の国アメリカを声高らかに歌っているのではないか?
そんな事を考えていると、海外の人が金払ってまでUIが10年立っても進化しなかったNHKオンデマンドを観たいとは思わないんじゃないか?
そう考えるとやっぱりアメリカって凄いんだか、余裕なのか、独善すぎるのかよくわからない国だなあと思う。

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