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株式会社Locatell創立1周年に寄せて

こんにちは。株式会社Locatell(以下:ロカテル)代表取締役の吉田佐和子です。

2021年5月27日に会社を設立して1年が経ちました。

この記事では、この1年間に行った事業と1年間法人経営を行なって感じたことをまとめてみました。

株式会社Locatell設立の経緯と第1期の事業内容

もともと私の故郷である京都府福知山市に音楽ホールを建設する『福知山音楽堂プロジェクト』を前進させるために法人化したこともあり、設立時は主力事業があったわけではありませんでした。

しかし、様々なご縁に恵まれ、ロカテルではこの1年間は下記の事業を行なってきました。

音楽事業

  • 文化庁 令和2年度第3次補正予算事業 ARTS for the future!/採択件数 6件

  • 音楽マネジメント(たかまつ国際古楽祭、古楽実験工房vol.1)

  • 音楽家のための情報発信サービス『Music discovery』

地域活性化事業

  • フリーペーパー「ふくてぃーやま」製作

サイト制作

私自身が音楽家としてこれまで活動してきた経歴があるため、私の身近にいる音楽家に寄り添う形で生まれた音楽事業、そしてとなりました。

文化庁 令和2年度第3次補正予算事業 ARTS for the future!サポート事業

多くの音楽家は、補助金申請の際に必要となる専門的な書類を書くことに苦手を感じています。また、自分がやりたい公演内容について語ることは出来ても、公演開催による社会的意義や地域における役割について文章にすることには慣れていません。

弊社のサポートは音楽家が苦手だと感じる、かゆいところに手が届くサービスです。

申請に必要な書類を作成するだけでなく、音楽家の方にとって本質的なサポートなるように活動を行う上で提出が必要な書類についてもご案内するようにしています。

なぜなら、私自身が音楽家として活動してきたからこそ、音楽家が苦手だと感じていることがよく分かるのです。

公演開催やその他の事務的な手続きを通じて、今後の活動にも活かせる本質的な支援に繋がると考えています。

音楽家のための新サービス Music discovery

音楽家として活動を行う中で「もっと早く知っておきたかった!」と思ったことが、お金・企画立案・キャリア形成・メンタルケアに関する知識でした。

知識は年齢やキャリアに関係なく身につけることが出来るものであり、知っていれば正しい選択が出来ることに繋がります。

Music discoveryのインスタグラムアカウントを基軸に、そんな音楽活動に役立つ情報を発信していきます。

Music discoveryのインスタグラムアカウントより

フリーペーパー『ふくてぃーやまラヴァーズ』の製作

もともと福知山市の魅力的な人や場所を紹介するサイト『ふくてぃーやま』を運営していたのですが、サイトをご存知ない方にもアプローチ出来るよう、紙媒体も作ることにしました。

製作は20代・30代の福知山や京都に関係するスタッフで行っており、若い世代が好きな事や得意な事でまちづくりに参加できる場を創出しています。

また、フリーペーパーの製作資金は福知山市内外に住む方々に「サポーター」になっていただき、製作費用の一部をご負担いただいています。

福知山市のことしか書いていないフリーペーパーを、福知山市外にお住まいの方がサポートするってちょっと変わってますよね。

しかし、福知山のような地方都市に限らず、日本全体が人口減少という社会課題を抱えている中、このように福知山に関わる人…交流人口を増やす取り組みは今後更に必要になってくると考えています。

なお、昨年は2冊発行し、もうすぐ3冊目の発行となりますが、発行部数は5000部を発行しています。

決断力を鍛えられた1年間

経営者として事業を行なうということは、本当に決断の連続で、どのように対応したら良いのか?1人では判断できない時もありました。

しかし、直面している問題に詳しい方に相談することで、多くの場面を乗り越えてきました。

すぐに決断できない時や事態が進展しない時はもちろん苦しいですが、何か問題が起こった時、やはり何らかの決断をして行動を起こすことでしか、問題は解決出来ません。

そして、どれだけ様々なアドバイスをいただいても、結局最後に決めるのは自分自身。決断したことを誰かのせいには出来ません。

会社を設立して1年が経ち、様々な事がありましたが、この間行った決断は最善の決断であったと思える自分がいます。

いつも支えてくださる皆様に心から感謝しています。

起業家という肩書きが加わって気づいた事

起業家として、様々な事業を行うことで〝こんな社会であってほしい”と望む社会になるよう微力ながらも変化を起こせることは、音楽家として活動している時にとはまた別の喜びがあります。

そして、当たり前のことではありますが、音楽家だからこそアプローチ出来ることがある一方で、起業家でないと出来ないことがあると感じています。

また、これまでは自分の音楽について考える時間が多かったのに対して、起業してからは文化芸術の社会における役割について考える時間が増えました。

それは冒頭にも書いた『福知山音楽堂プロジェクト』を進める上で、どのような場を創りたいのか?ということを考えるようになったからでもあります。

福知山音楽堂は、一部の文化芸術愛好家のために建てるのではなく、多様な在り方を尊重し違いを受け入れることのできる社会包摂的につながる芸術活動をする場にしたいと考えており、文化芸術には様々な分野を横断し新たなコミュニティーを生み出す力があると信じています。

株式会社Locatell2期目に向けて

2期目を迎えるにあたり、既存事業を伸ばすとともに、新規事業を生み出し各サービスを成長させていきます。

新規事業に関しては、福知山音楽堂での取り組みに繋がってくる部分でもあるのですが、文化芸術・教育・福祉の分野や、子育て世代の女性の雇用機会の創出や環境整備に関わる分野での展開を考えています。

新たな一歩を踏み出す1年に

ここまでロカテルの取り組みを書いてまいりましたが、株式会社設立1周年を迎えた本日、1つ歳を重ね36歳になりました。

今、私が人生をかけて取り組んでいる福知山音楽堂プロジェクトは2週間に1回のミーティングを重ねながら、少しずつ進んでいます。(オープンは2024年夏頃を予定しています)

今年は「自分よりも下の世代が活躍できる場をつくること」をより意識していきたいと考えています。

私が20代の時に福知山で演奏のお仕事をいただけるようになったのは、上の世代の方々が実績も何もなかった頃から様々な場所で私を起用してくれたから。

私も、そんな風に若者が活躍していける土壌を創っていきたいのです。

地方で活動している30代=若いというイメージがあるからか、こんな事を言うと「まだ早すぎるんじゃない?」と言われるかもしれませんが、そのような環境を創っていくためには時間が必要です。

福知山が、若者がチャレンジできる街であって欲しい。そう願うであれば、そのスタートとして今の時期が早過ぎるということはないはずです。

また、2022年5月25日付で公益社団法人福知山文化協会の理事に就任することとなりました。

新たな肩書きを拝命し、より一層ふるさと福知山の芸術文化シーンだけでなく福知山市で暮らす皆さんの生活が少しでも豊かになるような貢献が出来るよう、尽力してまいります。

Photo by Takumi Yano


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