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岡山に新しく誕生する文化芸術創造拠点『ハレノワ』と市民を繋ぐ場所〜kikkakeの閉所に立ち会いました

2023年9月に新しく岡山に誕生する、岡山芸術創造劇場(愛称:ハレノワ)。

開館に向けた機運醸成を兼ねて街の皆さんとの接点にもなっていた集会所kikkake!(以下キッカケ)がクローズするということで、これは行かねばと閉所最終日のイベントに参加しました。

2021年7月にオープンしたキッカケ。1年8カ月運営されたそう
こちらのイベントに参加しました


街に新しく文化拠点が出来る時って、どうしても市民と文化拠点の物理的な距離が生じますよね。

だからこそ、いつでも誰でも立ち寄れるような場所がホール近くの商店街にあるって凄く良いことだと思ったのです。

ハレノワのオープンに向け、準備室が立ち上がり様々な業務をおこなっているものの、準備室に人が来てくれない状態を打開すべく生まれたキッカケ。

キッカケでは、毎月1・2回のイベントを行い、オープンしていた1年8ヶ月の間に1200人の方々がお越しになったそうです。


路面バスが走る岡山駅周辺。

しばらく商店街を歩いていた時にこのドームの空間が現れて、思わず見上げて写真を撮ってしまいました。


さて、今回のイベントの対象は岡山の方々でしょうし、基本的には岡山の方々がお集まりになっていたと思うのですが、そんな方達の中にキッカケに興味津々の私も参加させていただきました。

この日は劇場の館長をつとめる草加さんと、プロデューサーをつとめる渡辺さんが開館事業ラインナップについてお話してくださいました。

▼開館事業ラインナップはこちら

ハレノワはパフォーミングアーツに特化した劇場で、コンセプトは「魅せる・集う・つくる」となっています。

なぜパフォーミングアーツに限定しているかというと、近隣には岡山シンフォニーホールがあり、生音での公演はそちらで行うという棲み分けが出来ているからだそうです。

開館事業ラインナップ劇場は、開館するということを伝える事業であり、「集う」「魅せる」ということも大きなテーマだと語っておられた草加館長。

発信する劇場になっていきたいし、同じように自ら外へ発信している全国の劇場と連携を取っていきたいとも仰っていました。(2024年3月にはハレノワ×OiBokkeShi×三重県文化会館の講演が予定されています)

その他にも、街を練り歩くダンスイベントのお話や、今年で3年目となるハイスクール演劇についてもご紹介されていました。ちなみに、ハイスクール演劇は、地元のアーティスト育成にも繋がっているそうです。

「つくる」ということを標榜しているので、地元の方と協力してやっていきたいとも仰っていました。

お話を聞いていると、プログラムを見るだけでは分からなかった魅力が伝わり、行ってみたいと思う公演が増えました

私は福知山と大阪の2拠点生活をしているのですが、大阪からだと岡山は割とすぐ行けるので、開館プログラムには是非足を運んでみたいと思います。

このイベントの前には、スタッフの江原さんにホールの取り組みや特徴などをお伺いしました。江原さんは企画制作の部門ではなく、調査研究をされているのですが、その視点はとても大切だと考えています。

以前、東京・港区の新文化芸術ホール整備に向けたシンポジウムに参加した際に、港区文化芸術ホールには企画制作を担う部署と研究を担う部署が設けられると知りました。

私は、そのまち特有の文化芸術や歴史を残していくには、必ず調査研究が必要になると考えています。

また、私は父が中学校の社会科教員をしており、ずっと地域の歴史を掘り下げて調査・研究・実践をやっているのを見ているからこそ、より重要性を感じるのかもしれません。

ハレノワが立つ場所の文化・芸術的背景について調べてまとめられたもの

江原さんからお話を聞いて、地域の歴史に関わる取り組みも代表をつとめる社団法人で取り組んでいきたいと感じました。

ハレノワの開館は9月なので、中を見れるまではもうしばらく時間がかかりますが、外をぐるっと一周してみました。

ホールの入口
ホール入口前の階段とエスカレーター
ホール外観。劇場事務所の上はマンションだそう
マンション部分と劇場部分への連絡部分(ロビー)
駐輪場の一部
アートサロン、ギャラリー、大劇場、中劇場、小劇場と様々な施設があります
ロビー

私は京都府福知山市で進んでいる新文化ホールの検討委員をつとめていますが、将来福知山にホールが出来る時にもキッカケのような場所があればいいな、と感じました。

また、ハレノワの運営を担う財団の変遷についてもお伺いし、現在主に貸館業務しか行っていない文化ホールに創造機能を持たせて運営していく場合、どのような運営体制が望ましいのか?

現在、理事をつとめている福知山市文化協会と福知山市が共催で行っている複数の事業はどうなっていくのか?など、運営についても考えることが多々ありました。

ちなみに、今回ハレノワの江原さんとお出会い出来ることになったキッカケがありました。

たまたま香川県高松市に芸術士の活動についてお伺いするためにNPO法人アーキペラゴさんにお邪魔した際に、高松市が行なっている障がい者の方によるアート展をオススメしていただいたんです。

その際に、たまたま開催されていたワークショップで出会ったのが、岡山県で活動しておられる杉本さんという方でした。

オリジナルクッキーを作るワークショップだったんですが、お話していると岡山の方だと知りビックリ。

私がキッカケにいきたいと思っていることを伝えたところ、江原さんをご紹介いただけることになったのでした。

なんだかとっても不思議なご縁なんですが、今回キッカケ最後のイベントに行かせていただき、色んな方とお話して、岡山がまた訪れたい場所になりました。

ハレノワのオープンをきっかけに若い方々がスタッフとして働いておられるのも印象的でしたし、是非開館事業にも足を運びたいと思います。

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吉田佐和子
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