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ざくっと世界経済 アジア編

この記事は書籍「人生をぐるっと変えるまるっと経済学」アジア編のまとめです。

「人生をぐるっと変える~」は小説スタイルのビジネス書です。
主人公美令が、架空のロックバンドP:ste(ピステ)の世界ツアーにアルバイトとして同行し、世界経済を目の当たりにしていくストーリーとなっています。

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ザクッと世界経済を知るためのビジネス書です。小説スタイルなので手軽に読み進められます。

その中から、今回はアジア編の内容を紹介いたします。

日本編

まず日本の課題は生産効率を改善することにあります。

たとえば世界のキャッシュレス決済比率をみると、韓国が90%近いのに対して日本は18%程度しかありません(2015年)。

そこで日本は2025年までにキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げる目標を掲げています。

ではなぜキャッシュレス決済が重要なのでしょうか?

主に次の4つが考えられます。

1.コスト
現金を流通させるための直接のコストだけで年間約1兆円かかっています。紙幣の印刷、輸送、ATMなどの管理維持費などで1兆円もかかるのです。キャッシュレスにすればこのコストを削減できます。

2.現金管理の手間
飲食店や小売店の場合、店を閉じたあとに残高を数える作業があります。この現金管理の手間に時間がかかり、非効率を招きます。
現金の残高確認作業は、国の試算では、レジ1台あたり25分かかり、1店舗あたりでは153分もかかっています。
キャッシュレス化によりこの作業の手間が省けます。
特に日本のサービス業は世界に比べて生産効率が悪く、これを改善したいという意向が強くあります。

3.タンス預金が世の中に出てくる
日本のタンス預金は50兆円あるという試算があり、キャッシュレス化によりこれらが市場経済に出回れば、経済インパクトはかなりあります。

4.マーケティング
スマホ決済などで購入すると、その購入情報を把握することが可能です。いわゆるビッグデータであり、これをAIなどによりマーケティングに応用できます。
情報は現代の石油とも呼ばれますが、現金ばかりでモノを買っているとビッグデータが集まりません。

シンガポール編

シンガポールの特徴は、富裕層率が世界第一だとうことです。

シンガポールは日本の税制上はタックスヘイブンであり、法人税率は17%です。

このためアジア市場を目指して多くの企業がシンガポールに子会社を作っています。

またシンガポールは中国の玄関口であり、人口も手頃であるため、中国市場のテストマーケティングとして使われたり、インドネシア、マレーシアなどの東南アジアとのネットワークも強いため金融センターとしても力を付けてきました。

ミリオネア人口(資産が100万ドル以上ある人)の世界ランキングをみると

・1位:アメリカ    1,700万人
・2位:中  国     350万人
・3位:日  本     280万人
(圏外)シンガポール 90万人強

シンガポールは人数こそ少ないですが、 人口も560万人と少ないため、人口比でみると18%と世界一になります。

インドネシア編

インドネシアは2050年には世界第4位の経済大国になると予想されています(PwC予測)。

日本はこのとき、7位に転落しています。

これは人口ボーナスが2030年まで続くことが大きいと考えられます。人口ボーナスとは、これから働く世代が増えてくることをいいます。

もともとインドネシアは2億6千万人以上の人口があり、そのうえこれから働く世代が増えてくるとなると、所得があがり、その結果GDPも増えてくるわけです。

人口ボーナスは、日本は1990年で終了し、中国、韓国、タイ2015年頃終了しています。

さらにリープフロッグ現象も大きいと言えます。

リープフロッグ現象とは、新興国が途中の段階を飛び越えて最先端の段階に達してしまう現象のことをいいます。

たとえば、インドネシアの固定電話の普及率は4.2%にすぎませんが、携帯電話の普及率は120%です。

固定電話という段階を飛び越えて、携帯電話という最新の段階に達してしまっているのです。これはアフリカ諸国でも見ることができる現象です。

古いレガシーシステムがないから効率的に最先端の技術が導入できるのです。

マレーシア編

マレーシアを含むアジア7カ国は、2050年アジアの世紀を迎えると予測されます。

ここでアジアの世紀とは、世界のGDPに占めるアジアの割合が50%以上になることをいいます。

実はアジアは、300年ほど前の産業革命以前はGDPの大半を占めていました。アジア諸国は農業王国だったからです。

それがイギリスに始まる産業革命により、経済の支配的地位をヨーロッパに譲ることになります。

そして2050年、アジアは300年ぶりに再び経済の支配的地位を取り戻すのです。

このアジアの世紀の中心となるのが、日本、中国、韓国、インド、タイ、 インドネシア、そしてマレーシアの7カ国です。

日本の課題

シンガポール、インドネシア、マレーシアを見た上で、日本の課題を再度2つ上げておきます。

1.人口のいびつさ
2.生産効率の低さ

以上、ザクッと世界経済アジア編でした。

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