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起業メモ #02 法人の電子証明書を入手する

起業メモ、時系列順に書く自信がなくなったので、リアルタイムでやっている作業を忘れないうちにメモしてゆくことにします。

株式会社の開業やその後の各種申請が、ここ数年でかなりデジタル化されて、自宅にいながら電子申請できるものが増えました。特に、マイナンバーカードの電子証明書で署名できるものが増えた点は、2024年に起業した身として、非常に助かりました。
一方、マイナンバーカードを使った個人名義での電子署名では申請できないものも未だに残っているので、今回はそうした電子申請に必要な法人(株式会社)としての電子証明書を入手する顛末を記録しておきます。

商標登録の電子申請に必要な電子証明書

開業後、少し心の余裕ができたので、会社名で商標登録をしてみようと思い立ちました。商標登録についても特許庁に電子申請できるのですが、こちらの申請にはマイナンバーカードは使えず、現時点では「法務省電子認証登記所」が発行した電子証明書のみが利用可能です。この法務省の電子証明書は、国内の公的機関への各種申請にも利用できるようなので、この機会に法人名義の電子申請書を作ることにしました。12ヶ月有効な電子証明書を4,300円で発行してもらえます。

電子証明書のもとになる鍵ペアを作る

法務省の電子証明書の発行自体も、オンライン申請できます。まずは作成したい電子証明書のもとになる「鍵ペア」を、専用ソフト「商業登記電子認証ソフト」を使って生成します。Windowsマシンにインストールして、メニューの指示通りに作業すると、鍵ペアのファイルとともに、登記所に申請する際に使う「SHINSEI」という名前のファイルが作られます。鍵ペアを作る際に、「鍵ペアファイルパスワード」と「電子証明書の使用休止届出用暗証コード」を指定しますが、特に前者は後ほど電子証明書を受け取る際に必要となるので、忘れずに記録しておきます。

電子証明書の発行申請

続いて「登記・供託オンライン申請システム」で申請作業を行うための専用ソフト「申請用総合ソフト」を使って、電子証明書の発行申請を行います。Windowsマシンにインストールして、「申請書作成」メニューから電子証明書申請書類を作成します。この際に、前段で作成した「SHINSEI」ファイルを読み込むことで、電子証明書の発行に必要な情報が入力できます。

申請書ができたら、登記所に送信する前に電子署名をする必要がありますが、こちらは個人のマイナンバーカードの電子証明書で署名可能です。ただし、この「申請用総合ソフト」のICカードリーダの読み込み機能の完成度が低いせいか、電子署名を行おうとすると「ICカードの初期化に失敗しました」の表示が頻発して、先に進めませんでした。ネット上でも困っている人の書き込みがそれなりにあり、私もかなり時間をかけて試してみましたが解決できず、結局、以前使っていた別のWindowsマシン(申請用総合ソフトでICカードの読み込みに成功した実績あり)を使って、電子署名と送信を行いました。

送信してしばらくすると、納付に必要な「収納機関番号」「納付番号」「確認番号」「納付額」の連絡が「申請用総合ソフト」宛にくるので、オンラインバンキングでペイジーを使って納付します。この際、ソフト上の連絡に合わせて、法務局の方から「納付は今日中にできそうか」との問合せの電話もいただきました。

納付後しばらくすると(私の場合は昼前に納付して夕方頃)、「申請用総合ソフト」宛に、電子証明書を取り出すためのシリアル番号が記載されたお知らせが届きました。このシリアル番号を使って、ようやく電子証明書を入手できるようになります。

電子証明書のダウンロード

電子証明書の入手には、再び「商業登記電子認証ソフト」を使います。
「電子証明書の取得(ダウンロード)」のメニューから、「シリアル番号」「鍵ペアファイル」「鍵ペアファイルパスワード」を指定して、さらに「電子証明書パスワード」を新たに指定して「証明書取得実行」ボタンを押すと、電子証明書がダウンロードできます。電子証明書の形式は PKCS#12ファイル形式で、ファイルの拡張子は .p12です。

以上で、法人名義での各種申請に使える電子証明書が入手できました。この電子証明書を使って、近日中に商標登録の申請を行う予定です。商標登録の電子申請の顛末も、作業が進んだ頃に記録を残す予定です。

おまけの雑感

おまけに、今回の電子証明書取得作業を通じた雑感も残しておきます。

申請のやり方をよく理解できていれば、すべてオンラインで実施できるので、窓口に行ったり郵送したりに比べれば、格段に効率的になったと思います。一方、手続きの煩雑さや、Windows専用のクライアントアプリが必須なこと、電子証明書の仕組みをよく分かっていないと意味が理解できない用語が多いなど、ハードルが高いことも改めて認識しました。

e-taxでは法人代表者のマイナンバーカードが利用できるなどの取り組みも進められていますが、もっと簡易に法人が使える電子証明書を備えたICカード等を配布するなど、小規模な法人でも難なくオンライン申請ができる環境作りが必要だと感じました。


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