羽菜と雄6

突然の申し出に、羽菜は戸惑っていた。

「…あ、せ、せっかくのお休みですものね。休みたいのは当然だと…」

俯きながら早口にそう言うと、

「…いや、休みたいからじゃなくて…」

はあ、とため息をつく雄。休みの過ごし方を思っての事だ。

「…姉の店を手伝わせられる事になってる。生花店なんだが、バイトを雇う余裕は無いが人手が足りないらしくて…」
「…生花店…」

羽菜は大きく目を瞬かせた。

「それってお花屋さんってことですよね?」

質問を口にしながら、羽菜の目は輝いていた。
同時に、今までの雄の働きぶりにも合点がいった。
植物の手入れの行程を頭に入れているような、そんなタイミングでいつも手伝ってくれていたのは、そのお姉さんの影響だろうと想像できた。

「まぁな、そういうわけで…」

話を切り上げようとした雄の袖を、はっしと掴む羽菜。

「あのっ。も、もしよければ…!」

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