山の上に建つアンテナは美しくないのか

大学の授業で、山の写真をスクリーンに映し出して教授が言った。
「こんな美しい山の頂に、こんな醜いアンテナが建っていることに
危機感を持たないような人間が芸術やっててはいけない」
結構前のことなので曖昧だが、こんな旨のことを言っていたと思う。

腑に落ちない。
自分が路地裏を巡ったり室外機の写真を撮ったりして喜ぶような人間だからかもしれないが、果たして山の上に建つテレビアンテナは本当に美しくないのか。
自然の中の人工物はどこまでも異物なのか。
単に純粋で混じり気がないというのは、それは美しいのではなくただ「綺麗」なだけじゃないのか。
どんなに綺麗でない、美しくないとされるものの中にも隠れた魅力を見出して、それを美しさとして主張できる人たちが美術をしてるんじゃないのか。

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