第27回開示請求 大阪コロナ追跡システムに関するあれこれ

吉村知事が当初「国会議員の文書通信費の1カ月100万円より安いですから」と発表したけれど、いろんな改修が後から行われ、結局当初の10倍まで費用が膨らんだ大阪コロナ追跡システムの開発費用。
これについては、11月に日刊ゲンダイで報じられたところです。

同紙に契約書等の情報提供したのは私なんですが、
記事になっていないことで、私が担当のスマートシティ戦略部に電話でお聞きして知っていることは、企業選定の経緯。

「急迫を要し、競争入札に付していては契約の目的を達成できない」との理由でAppTime社との随意契約が行なわれたのですが、
これは2020年5月12日の知事囲み会見で知事が同システムの概要・構想を発表をしたところ複数の企業から売り込みがあり、その中で安価であったAppTime社に決定をしたという流れだったようです。

当時は開示請求をやっていませんでしたが、
これが今なら、間違いなく囲み会見時点で請求をかけて「具体的な開発プランがないのにあんな発表したのか!!」と騒ぎ立てる案件ですね、これ。

なお、ゲンダイさんにも提供した契約書・仕様書の一式がこちらです。


また、2021年1月6日付の毎日新聞には、このシステムの利用が低調だということが報道されていました。

みなさん、ご存知でしたか?
コロナ追跡システムについて、実は2020年12月に「陽性者自らの登録だけでなく、保健所からの聞き取り調査も行う」「食事提供施設における注意喚起メール発出基準の変更」「注意喚起のメールを受信した府民が希望すればPCRなどの行政検査の対象になる」という変更が行なわれていたことを。
(詳細な変更内容はリンク先を見てください)
私はたまたまウェブサイトを見ていて気付いたので、この検討経緯などに関する文書を開示請求で入手しました。
開示いただいた文書はこの2点。

①20201006_知事レク資料(アラート発出に向けて)

画像1

②20201126_知事投込み資料(アラート発出情報入手)

画像2

「3つの変更点に関する、検討および意思決定プロセスのわかる⼀切の⽂書」を請求したんですが、出てきた文書はたったこの2つでした。
(なお、この変更のために追跡システムの改修は行われましたが、軽微修正の範囲なので、追加の改修費用は発生していないことを確認しています)


以下は私見です。
大阪コロナ追跡システムのシステムの使いにくさ自体は置いておくとして、12月の3つの変更点は、前向きな、良い改善だと思うんです。
特に、これまでは通知メールが来るだけで検査にはつながらなかったのが、行政検査できるようになる。これはシステムに登録しようする動機づけにつながると。

であれば、こういうことこそ、知事が会見やテレビで話題にするなどして、府民に呼び掛け、改めてこのシステムを周知させる努力が必要ではないでしょうか。

私のTwitterをご覧いただいている方はご存知と思いますが、私は10月以降は知事・市長のすべての囲み・定例会見を見ています。ですが、このようなシステム変更について、知事から言及があった記憶はありません。
Twitterでも、大阪府広報担当副知事の肩書のもずやんアカウントも、知事の個人Twitterアカウントも、この件は発信されていません。

本当に、このシステムで陽性者の早期キャッチアップをしようとしているのであれば、そのような周知させる努力があってしかるべきではないでしょうか。

このシステムを担当しているスマートシティ戦略部の方も使っている筈の、府庁食堂でも、2020年10・11月の2ヶ月間で、追跡システムに登録された件数は、たった18回だけということが、同年12月の府議会答弁で明らかになっています。

このような態度から、私は、知事やスマートシティ戦略部、そして府職員が、このシステムを有効だと考え、本当にコロナ対策のために府民に使ってほしいと思っているようには感じられません

契約内容からも分かるように、すでに2021年3月末までのサーバー代は支払われてますので、それまではこのシステムを使い続けるとしても、
そんなに普及させる気がないなら、3月末でシステムを廃止してCOCOAに一本化されたらいかがですか?

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