君は元気かい?
昔昔、そのまた昔のお話。
かなーーーーーーーーーり歳下の男性とお付き合いしていた頃がありました。
そりゃーもう、かなり歳下…
(法律には触れてはない!)
その子は…家族と友達を凄く大切にする子だった。
彼には1人お姉さんが居て、そのお姉さんよりも、私の方が歳上だったけど、その子は私の事を…まるで同じ歳の女の子のように扱っていた。
良くも悪くも…。
年の差を気にしない人だった。
良くも悪くも…。
デートは映画が多かった。
私が映画好きという事もあり、それまで全く洋画を観て育って来なかった彼、段々私より外国の俳優さんの名前とか覚えて、サントラも聴くようになった。
映画デートでは必ずパンフレットを2冊買って、1冊は私にくれた。
時々スポーツの出来る施設に一緒に行って、運動音痴な私はボロボロにされる。
卓球、ストラックアウト、スリーポイントシュートのやつ、バドミントン。
全部彼が勝つ。
悔しいから躍起になってる私を見て、「可愛いな」と呟く。
負けて悔しい私は「うるさい。もう1回勝負!」と何度も挑戦し、何度も負ける。
彼とは沖縄旅行やオーストラリア旅行に行った。
沖縄…海が綺麗だった。
浜辺を歩いてて、綺麗な貝を見つけホテルに持ち帰った。
シャワーを浴びて貝を置いておいた場所を見たら、その場所に貝はなく…何故か床に落ちてた。
中にはヤドカリが住んでた。
笑いながら海に返しに行った。
オーストラリアでは、初めてのシュノーケリングをした。
海に浮かんで下を見たら、水深30mの恐怖に泣きそうになった。
ホテルには沢山虫が出た。
コアラを抱っこしたけど…コアラの眼光は実はめちゃくちゃ鋭くて、ちょっと怖かった。
サッカーが大好きな彼。
映画が大好きな私。
サッカー選手と映画俳優・女優の名前縛りのしり取りを良くしてた。
鮮明に思い出すことが出来る。
ある日…カラオケに行った時、彼がこの曲を歌った。
銀杏BOYZの「BABY BABY」
忘れてたんだよ。
と言うより…忘れようとして、記憶から消して、消えかけていた。
彼との最後はあまりにも呆気なくて…馬鹿らしくて。
消したい思い出の1つだった。
7年付き合った彼。
結婚したかった彼。
でも…冒頭で言ったように…彼はかなりの歳下。
私の中での「年の差」は、彼が思うよりずっと重くのしかかっていた。
結婚なんて言葉、切り出せなかった。
切り出して、彼が嫌だと言って、別れるくらいなら…別に今のままで良いと思った。
そして何よりも…
彼が彼の未来にやりたい事…を邪魔したくなかった。
仮に結婚したとして…彼には「この人と結婚しなければ…やれた事沢山あったのに…」って、思って欲しくなかった。
怖くて言えなかった。
彼からの最後の言葉は…
「さわと付き合っていても、未来が見えない」
彼は私と別れてから、女の子2人を女手一つで育てていた私と同じ歳の女性と結婚した。
あっさりと。
私と別れてすぐの出来事だった。
ま、同時進行してた時期があったのだろう。
この想いを記憶から消し、長い月日が流れ。
この前、芸人さんのインスタライブを観ていた。
以前お話したことがある、ナミダバシというコンビの太朗さん。
ギターを弾きながら歌うインスタライブ。
「街はイルミネーション 君はイリュージョン…天使の様な微笑み~」
太朗さんが歌い出して、この曲と繋がった瞬間…ぶわーっと全部の彼との記憶が蘇って来た。
太朗さんと彼は似ても似つかない。
正直この曲の事も、彼が作ってくれたMDに入れてくれてたのも忘れてたんだ。
忘れようとしてたんだ。
彼は元気かな。
月日が流れて思い出した彼は…あの時の彼ままで…私より歳下の、友達とサッカーするのが大好きで、洋画や洋楽に疎くて、でも一生懸命一緒に楽しんでくれてた彼。
私が全く知らないサッカー選手の名前を覚えさせようと躍起になってた彼。
私が…多分一生の内、1番長くお付き合いした、可愛くて、しっかり者なのにちょっとドジで。
家族との時間も大切にする。
動物が大好きで。
彼は元気かな。
あの時の私は、彼の目にはどう映ってたかな。
可愛いと思ってくれてたかな。
一瞬でも「さわと一緒に暮らしてみたい」と思ってくれたかな。
太朗さん。
こんなに素敵な思い出を…思い出させてくれてありがとう。
勝手に思い出しただけだけど…(笑)
この曲を太朗さんが歌わなければ…私はこんなに素敵な人との思い出を、嫌な事として消そうとしてたんだな。
あっぶねー、耐えた~
とか言ってる場合じゃなく…
思い出せて良かった。
その後、すぐにサブスクでこの曲をリストに追加して、毎日聴くようになった。
でももう思い出さないよ。
素敵な思い出を思い出すのは1回で充分。
この人の歴史の中に私が居たって事だけで充分。
彼は元気かな。
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