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こんな実践をしてみたい~戦国炒飯TVのKing能「風姿花伝」を聴いて~(2021年9月22日)

 最近、YouTubeで「戦国炒飯(チャーハン)TV」というチャンネルの動画を友人に紹介されました。YouTubeのおもしろさ(おそろしさ)は、一度動画を視聴するとエンドレスで関連動画をお勧めしてくることなのですが、案の定、ひとシリーズを視聴したら、どんどんこのチャンネルの動画が出現してきました。

 ほとんどの動画は無視をしていたのですが、「King能」というタイトルに魅かれて、思わず動画を再生してしまいました。ーーそうです、世阿弥と、そして、観阿弥の親子が登場です。某ユニット?を意識した感じの曲調で「風姿花伝」という歌を歌っていました。

第一話

第二話

第三話

第四話

 以前、教室で世阿弥の『風姿花伝』を扱った際に、意外と好評だったことを思い出しました。能の世界を極めんとする世阿弥の芸術論・人生論が、男子高校生の心にも身近な教訓として響くところがあったようです。

 もしこの動画がその時にあったとしたら、予習で視聴させたり、各回の授業冒頭で見せたりもよかったのですが、さらに進んで私としては、King能の「風姿花伝」の歌を完成させたいと思いました。発展としては、世阿弥の『風姿花伝』全体の中から自分が気に入ったかグループで割り当てた章段について、新曲を作るというのもいいと思いました。

 歌詞を書くのが得意、メロディを作成するのが得意という生徒が増えました。場合によっては振り付けを考えたり、アニメーションにしたりもできますね。

 動画のコメント欄を見ていただくとわかるのですが、〝「風姿花伝」のフルバージョンを聴きたい〟というものや、〝制作スタッフが作品を理解して歌を作っている〟というものがあり、私も共感できました。

 すると、先に紹介した動画を見終えた後で、「King能」再登場の動画も出現しました。

King能 風姿花伝Rapあり披露

「King能 ミュージック・トゥナイト増刊号#3& 新曲「花鏡」披露」

 「風姿花伝」フルバージョンと、なんと新曲「花鏡」でした。ただ、もし上記の実践をするならばこれは先に見せない方がいいかと思います。むしろ、すべての作品が出そろった最後に紹介したら、生徒たちの作ったものの方が優れている可能性も高いと考えます。

 最後にいくつかだけ。先日、国語教育全国大会にオンラインで参加しました。分科会の高校古典の実践発表において指定討論者より、教員が講義を聴かせるだけの授業の回はあってしかるべしだということが示されたのが興味深かったです。

 また、言葉へのこだわりも重要です。ただ面白さを競うのではなく、どの古語をどのように解釈したのかというステップの部分の発表も必ずさせたいです。また、古典芸能としての能にも立ち戻り、なぜそのような表現(面・衣装・舞・謡など)であるのかも想像させたいです。

 その上で、なぜ世阿弥の言葉が今も私たちの心をとらえるのかを、自分自身で考え、時代を超えた何ものかにも思い至らせたいと思うのです。

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