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成年後見制度っていうほど便利じゃない

こんばんは創です。
相談って波があり、認知症の相談が続くときには続きますし末期の方の相談、精神系の相談と続くときには不思議と続きます。これまで勤務している中、毎年4,5月あたりに認知症の相談が増えるのは確かな傾向として感じています。
そういった中で最近の流行は成年後見制度に関しての相談です。
地域包括支援センターでは成年後見制度の周知活動を行っていることもあり、本人に判断能力がなく消費をしてしまうケースや、身元保証人らしい方がいないケースなど紹介することは多いです。
しかし、実際に成年後見制度の利用を進めようとした時にハードルが高くて中断することも多いです。ケース検討などで判断能力低い方=成年後見制度というぐらいテンプレの支援策なんですけどね。
以前あったケースでは前頭側頭型認知症の方で車を運転しては事故を繰り返し、修理をしないようディーラーにお願いしても、他で新しい車を購入しようとするので成年後見制度を紹介しました。
書類が完成し後は裁判所に提出するだけだったのですが、最後の最後で成年後見制度を取りやめました。
理由の一つは高額な鑑定料がかかるかもしれないといったところです。
本人の判断能力を判断するのに5~20万円の鑑定料がかかることがある。有識者の方の説明だと鑑定料が必要になるのは全体の1割ぐらいということですが、一度成年後見制度が受理されてしまったら途中で止めることはできません。
もう一つの理由はその方のケースではお子さんが後見人になる予定で成年後見制度を進める予定でしたが、それも裁判所の判断次第では弁護士や司法書士といった外部専門職の後見人が指定されることもあり、そうなった場合、毎月の報酬が最低2万円以上かかります。
本人の認知症状は進行していたので、今後、判断能力低下による金銭的な損害が報酬として支払っていく分と比べて、上回るのかは悩ましいところです。
実際、その方のケースでは免許を取り上げることができてからは車のような大きな買い物をしようとすることはありませんでした。食べきれないほどの食材等を買うことはありましたが、そういったものは成年後見制度であっても購入を取り消すことはできません。


以上は成年後見制度の問題点についての記事です。

成年後見制度はもっと利用しやすくなるように法整備しているところであるということですが「本人のためだけ」というより「本人を含めた世帯」のための制度であって欲しいと思います。

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