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マンション管理組合デジタル化の壁


マンション管理組合、理事、管理会社とは

マンション管理組合は、分譲マンションの区分所有者による団体です。
一戸建ての所有者が物件の維持管理をするように、マンションの区分所有者もマンションの維持管理をします。
ただし所有者が複数人いるから、管理「組合」を作ります。
区分所有者は100%管理組合に自動的に入ることが、国の決まりです。

マンション管理組合の理事というのは、組合員の中から選ばれた代表者のことです。
うちのマンションは約500世帯ですが、500人が毎月集まってマンション運営の会議するわけにもいかないので、代表者=理事を選出して、代表者の人に運営管理のかじ取りをしてもらいます。
うちのマンションでは、理事は輪番制です。

マンション管理の業務は、マンション管理会社に委託しています。
つまり理事が方針や方向を決めて、管理会社の担当者に「これやっといて」と指示をして、契約の範囲内でいろいろやってもらいます。

理事の問題点

うちのマンションを担当している管理会社のA氏は、アナログの人です。
随所にPCやメールやTeamsといったデジタル的な要素を使うものの、作業の流れがアナログ。
例えば理事の定期的な会議資料を作るとき、彼は以下のような作業をします。
①各理事から、メールで報告内容を受け取る
②報告内容を紙に印刷する
③印刷した「アジェンダ」を会議の前日に各理事のポストに投函する

コロナをきっかけにTeamsでの会議も導入されましたが、アジェンダは紙配布でポストに配布なので、出張先からオンライン参加した理事の手元には資料が届きません。
ついでに言うと、TeamsのホストであるA氏は会議資料をPCで共有しないので、オンライン参加の理事は本当に耳だけ参加状態です。

さらに会議の議事録を保存する際、A氏は印刷した紙を画像としてスキャンしてPDF化していたので、ファイル検索できな議事録を保存していました。
マンション管理では、経緯を調べないとトラブルの発端がわからん、ということがあるので、過去の資料を検索できないと超絶不便です。

そして一番の問題がここなのですが、理事の誰もA氏のやり方に疑問を持っていなかった。
いやいやいや。いやいやいやいや、えぇ~・・・
A氏がこのマンションを担当して、4年は経ってるらしいのに、だれも違和感持たなかったのか。
道理でマンションのデジタル化がさっぱり進まないわけだわ。

「PC操作に不慣れな人はどうするの」

A氏の代わりに(とストレートに言うと角が立つので言いませんが)、マンション管理システムの会議機能を使って議事録作成することを、理事会に提案して、理事たちの同意を得ました。
ただあとから「自分は会社でPC使っているからある程度慣れているけど、PC操作に慣れていなくて普段使ってない人にはシステムを使うのは無理だと思うよ」という人がいました。
でもこういうのって、大事なのはフットワークなんですよね。
PC操作に慣れていなくても、フットワークが軽い行動的な人は、ちゃんと使って、わからなければ質問してくれるから、実は大丈夫です。
むしろPC操作ができてもマニュアルを見ない、使えばすぐわかることを自分で確認しない人の方が、厄介です。

PC操作が不慣れな人がいるなら、教え合いをしやすい環境を整えて、互いにPCスキルを高めるようにすればいいと思います。
マンションコミュニティの活性化になるし、できないことにみんなで取り組む文化、いいと思うんだけどな。
「PC持ってない理事はどうするんだ」とか、PC持ってないと理事が現れたら対処を考えればいいと思うんだ。
みんなで。

まとめ

私が体験した「マンション管理組合デジタル化の壁」は、3つありました。
①管理組合の理事をする人にデジタル知識が不足している
②管理会社の担当者にデジタル知識が不足している
③「PCに不慣れな人はどうするの」と対処法を求められる

これに加えて「習慣化の壁」があると思います。
普段使わずに生活しているものについては、使い方を1回きいたくらいでは、すぐ忘れます。
でも毎週孫とZoomで話すというニーズがあれば、PCの基本操作を覚えるかもしれません。
要は管理組合理事にとってのデジタル化ニーズを、どれだけ見出してもらえるか、です。
住民アンケートとりやすくなるよとか、防災訓練の告知しやすくなるよとか、理事にとってのメリットがどんなところにあるのか探って、折に触れて発信しなくちゃいけないなと思います。

こういうことをいろいろ考えているんですが、1人では荷が重いことがあるので、マンション所有者の皆さんに呼びかけて、デジタル化チームを作りたい今日この頃です。

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