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管理組合や自治会は発信が大事

前回、無料でデジタル環境を整える例を紹介しました。
デジタルツールを使うと、
・役員の作業や手間や時間を減らせます。
・役員同士や、役員でない人への情報共有、情報発信がしやすくなります。
しかし、ツールを入れれば課題解決!とはなりません。

今回は多くの人に情報共有をするという視点で、デジタル化で気を付けたいポイントを書きます。
また前回は「自治会デジタル化」について書きましたが、今回はマンション管理組合をターゲットに書きます。


情報を発信する

理事や役員などの一部の人でなく、マンション全体など大勢の人に情報共有するには、とにかく情報発信することが重要です。

たとえば管理費の使い道や、あとどれくらい予算が残っているかを知らせてもらわないと、「管理費値上げに賛成か反対か?」「管理組合で〇〇買ってもいいですか?」なんて総会で聞かれても、答えようがありません。
デジタルツールを使って情報公開することで、そういった事柄について考えてもらいやすくなります。

また過去の管理組合総会で、「マンションのレンタサイクルが泥だらけで汚れているが、ちゃんときれいにしろ」とお怒りモード発言のおじさんがいたのですが、レンタサイクル清掃まで管理会社にお願いしていないんです。
借りたもん汚したら自分で拭けとも思うんですが、管理費を何に払っているか、管理会社との契約内容をいつでも誰でも確認できるようにしておかないと、こういう勘違いも起こります(紙で公開してましたけど、たぶん忘れられてた)。

また情報発信していないと、管理組合理事がどれだけ時間を割いてがんばっているかも伝わりません。
”どうせお前ら理事たちは管理会社に任せっきりで何も考えてないだろう”という発言をする人、総会で見かけます。
情報発信することで、こういう誤解も解けやすくなると思います。

定期的に発信する

発信する情報は何でもいいと思います。
ただし、定期的に発信することが大事です。

新しい情報が発信されないところは、そのうち誰も見なくなります。
誰も見なくなると、デジタルツールを導入した意味がなくなってしまいます。
デジタルツールを導入したら、そこにアクセスしてもらうために存在をアピールするだけでなく、アクセスして役に立ったと思ってもらえるコンテンツを用意しておくことが必要です。

無理なく発信する

発信する内容は本当に何でもいいと思うんですが、行き当たりばったりで常に新しい情報を発信しようとすると、疲れると思います。
情報の種類を分けて考えると、アップしやすいのではないでしょうか。

1.必要に応じて確認したい情報

常にアップデートされるわけではないが、必要に応じていつでも確認したい情報です。
たとえばマンションの規約、管理会社との契約内容、マンションの共用施設の利用方法や料金など。
検索できるようになっていれば、定期的に訪れる人がいると思います。

2.進行状況がわかる情報

修理依頼を出した箇所をいつ修理するか、植栽の入れ替えはいつまでかかるか、などの進行状況です。
うちのマンションは築20年程になるので、いろんなところが修繕対象になっているはずですが、どこがリストアップされているのか、それらの優先順位はどうなっているのか、わかりません。
総会で「それは引き続き理事会で検討します」と結論付けた議案のその後なども、気になります。
日々の生活に関わることなので、進行状況がわかると安心です。

3.掲示板に掲載される情報

私が住むマンションの掲示板には、エレベーターの定期点検、定期清掃、年末年始のゲストパーキング抽選申込のお知らせなど、様々な情報が貼り出されます。
掲示板を見に行かなくても、簡単に情報を確認できれば便利です。
足が悪くて移動が難しい、子育て中で外に出られない、などの状況でもデジタルツールで情報を見られれば、助かりますよね。

4.みんなの活動

マンション管理組合の理事たちは、それぞれ様々な活動をしています。
その状況を各自が発信すれば、発信数が増えます。
何をどのように発信するか、事前に相談して決めておくとよいと思います。

5.イベント情報

防災訓練や総会開催などのお知らせです。
「情報発信」「告知」と聞くと、一番最初に頭に浮かぶのがイベント情報だと思います。
ただこれだけでは発信する情報が少なくなるので、ほかの種類の情報も取り混ぜて考えるとよいと思います。

浸透するまで発信を続ける

マンションWebサイトやマンションの facebook など、作ってから数か月はその存在が認識されず、アクセス数は少ないです。
でも「誰も見ないから無駄」と更新をやめてしまうと、みんなに浸透する前に終わります。
予めコンテンツを用意しておき、時期をずらして公開してもいいかもしれません。
最初は一部の人だけに見てもらうことを目標にして、徐々にコンテンツを充実させてもいいかもしれません。
とにかく「定期的に何かをアップする」を続けて、様子を見てみるとよいと思います。

まとめ

今回は、マンション管理組合の情報発信について考えてみました。
情報発信をする目的は、ターゲットに情報を見てもらうこと。
何度も見に来て、定期的に巡回してくれるようになることです。
そのためには、どんな人に、どのように、何の情報を利用してもらえるか、イメージしてコンテンツを用意するとよいです。

デジタル化すると、情報にいつでも誰でもアクセスできるようになります。
「デジタル端末操作に慣れてない人はどうするんだ」とよく言われますが、デジタルツールを使わないと情報を得ることができない人だっています。
子育て中で、療養中で、単身赴任で、いろんな理由で、情報がデジタル化されていると助かる人もいます。
もし自分がぎっくり腰のときに、掲示板で情報を確認して、紙の申込用紙を管理事務室に提出しろ、と言われたら、知るかー!ってなります。
デジタル化で救われる人もいる、ということを忘れないでほしいと思います。
ただ、デジタルツールを入れればみんなが使ってくれるわけではないので、みんなが使ってくれるような工夫が必要です。
今回は、みんなに見てもらうためにコンテンツを定期的にアップしよう、というお話でした。


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