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憂鬱な旅|月15万円の自炊日記#163

2024年1月27日(土)~2月1日(木)。
楽しかった有田の旅
爆買いした(というほどでもないけど結構買った)器は、宅急便で受け取ったものの、開梱せず玄関にそのまま放置している。
片づけなきゃ。でも洗ったり、収納場所を確保するのが地味にめんどくさい。
買い物するときの気分がMAXで後はどうでもよくなっちゃうの悪い癖。

再びI県

浮かれていいのは少しの間。
今週は認知症が急激に悪化し、各種方面に迷惑かけまくりのモンスター親族の医療保護入院の手続きのため、I県に出向かないといけないのだ。

詳しくはこちらをどうぞ。

先月も赴いたばかりなので、最初は抵抗する姿勢を示してみたものの、行政マンの粘り腰交渉に根負けし、と言うか交渉したところで埒があかないことを早々に察知し、YESと回答した。

医療保護入院。すなわち、本人の同意がなくても、親族の同意のもと、強制入院させること。
「保護」ってあるから一見マイルドだけど、実態としては、閉鎖病棟に押し込められ、大人しくなるように安定剤かなんかを投薬されるわけで、なんでこんなところまで来ちゃったのかな、と悲しくなる。

土曜日に食べた焼ソラマメ。ソラマメは春じゃなくて冬が旬なんだよ。

出発は火曜日の夕方。残り少ない穏やかな日々を充実させようと、日曜日、約2年ぶりのリフレクソロジーの予約を入れた。

Dr.Stretchの効果

以前は、癒し系サロンに頼りっぱなしだったが、結構コストがかかるうえ、根本的な解決にならないことを反省し、半年に1度程度の頻度まで下げた。
ただし、肩が凝るのは我慢できないので、Dr.Stretchでストレッチの正しい方法を学び、日々の努力(時間つぶし)で凝りに強い体を育ててきたつもりである。

セラピストからは、「さばかんなさんの体、かったいんですよね。なんでだろ」と言われ続けてきたが、果たして半年におよぶストレッチの効果は出ているのか? 2年ぶりに再会するHちゃんの施術を受けに、久々に新宿の店舗までやってきた。

久しぶりに会うHちゃんは、なんだか大人っぽくなっていた。聞くところによると実家を出て、現在は一人暮らし中らしい。
私は、結婚はしてもしなくてもどっちでもいいが、一人暮らしの経験は一度はしてみたほうがいいと思っている。
不動産屋さんに行って理想と現実のギャップにうちのめされ、妥協した部屋の手付金を工面し、IKEAやニトリでとりあえずの家具と日用品を買いそろえる。
引っ越し屋さんの相見積もりを比較し、自分のエゴと自尊心でまみれた部屋を断捨離し、涙ぐむ母親に手を振って別れる。といっても、私は最初、実家から徒歩圏内に部屋を借りたのだが……。
こういった困難を乗り越え、痛痒を感じなくなってこそ、自立って感じがするのだ。
※あくまでも主観です。

で、話が逸れたが、ストレッチの効果はどうだったのか? Hちゃんのセカンドオピニオンを聞いてみたところ、「まるで別人のように柔らかい」とのこと。
やったー!塵も積もれば山となるんだ!
これからもストレッチ続けるぞー。
でも、Dr.Stretchは通うかどうか要検討中。
※Dr.Stretchはとってもいいんですが、継続するにあたってやはりコスト面がネックになっています。

40分のリフレクソロジーと60分のマッサージを受けて、夢見心地のままHちゃんに見送られ店を出る。
やっぱ、3カ月に1度は来ようかな。Hちゃんにも会いたいし(気分はオヤジ)。

同じ商業施設にある中華の名物。担々麺ならもっと辛くてもいいかも。

1泊目

月曜、火曜と黙々と仕事をしたが、若干積み残したまま新幹線やまびこに乗車。車中でもPCを立ち上げ、事務処理を行うつもりだったが、開始30分で爆睡してしまった。
凍えるような寒さのホームからあったかーい車内に入ったら眠くなった。

3列シートのA席(窓側)を占拠した私の2つ隣C席(通路側)では、同年代と思われる女性が駅弁「牛肉どまん中」を広げている。
あまーいすき焼きのタレのニオイがPCの前で爆睡する私の鼻腔をくすぐる。なんかお腹空いた。がしかし、私は新幹線では駅弁は食べないので、ホテルに着くまで我慢だ。

新幹線の駅から、2両編成のローカル線に乗り換えさらに90分(東京から片道5時間)。
1カ月ぶりに降り立ったI県K市は相変わらず辛気臭い感じだった。
K市の住民の方ごめんなさい。でも、ほんとに寂しんです。この町。

飲食店もあるにはあるが、早々に閉店してしまうところが多く、また営業中の店もかなり口コミを読み込んでからでないと入店する踏ん切りがつかないので、外食は諦めた。

今回は、暴れる君の親族に余計な刺激を与えないように、ホテルでの滞在となる。2泊3日の滞在中、ホテルの朝食以外、外食をせず、コンビニ飯で凌いだ。
有田でも夕食はセブンで済ませたけど、旅の目的が違うからか、あれはあれで楽しかったな。
でも今回は……。グズグズ。

ホテルにチェックインし、シャワーを浴び、ローソンで買ったビールを飲んで就寝。
ホテルの清掃が行き届いており、シーツもタオルも清潔でちょっとだけ救われた。

2泊目

翌日は、朝から担当医師と面談し、入院の同意書にサインして、簡単な説明を受けてホテルに戻った。
蒸し返すようで申し訳ないが、やっぱりこれならWeb会議でもよかったような気もするけど、医師が対面でって言ってるのだから仕方ないのかなぁ。でも、文句はいわないよ。

ところで、この精神病院を訪問するのは2回目なのだが、なんというか、昔のホラー漫画に出てくるような建物である。
医師や看護師さんは真摯に対応してくれることが伝わってくる分、中身(医療サービス)と外見(建物外観・内観・設備)が一致しておらず、こういうのは税金でなんとかできないのかな、と思うのであった。
お手洗いには、「女子トイレに洋式便座が導入されました」と貼り紙があり、いつの話だよと思ったが、つい最近のようだった。
お年寄りしかいないんだから、便座ぐらいなんとかしてやれよ。もうほんと、トホホな場所。

そして、閉鎖病棟と思われる奥のスペースからは、言葉にできないうめき声とガチャン!と施錠する音が漏れ聞こえてきて、待合室でダウンを着たまま座っていた私の体は芯から冷え込んだ。
精神病院のイメージ通り過ぎて、むしろ不自然。

さて、あとは行政マンに今日の報告をすれば終わりだ。電話でもいいのだが、せっかくだし、役所まで行ってみるかと思い直し、夕方訪問させてもらった。

病院に勝るとも劣らない萎びたオフィスで、社会福祉士さん、保健師さん、私の3人で入院と介護申請、介護施設探しについての打ち合わせ。
当初は、退院後の介護施設をI市内で探してもらうつもりであったが、おばちゃんの身の上、取り巻く環境、また地方より東京の方が施設の選択肢が圧倒的に多いこと等を考慮し、退院後は東京に連れて帰ることを考えている。
受け入れてくれる介護施設が見つからない限り、おばちゃんは、最後のその瞬間まであの閉鎖病棟に閉じ込められるのだ。
なんかさぁ、これじゃ、あんまりじゃん。
ケンジの言いなりになって、実姉の介護の労働力として田舎に戻ってきたのに、本人が介護対象になったら邪険にされて。

この町に、地域の顔役であるケンジに逆らう人間はいない。私も戦うわけではない。だが、自分が主体で引き受ける以上(押し付けられた以上)、ケンジファーストではなく、認知症のおばちゃんファーストで決断したいと考えた次第だ。

と、行政マンに意気込みを伝えて、かび臭い役所を後にしたのだが、街灯も少なく、車のヘッドライトだけが目印の真っ暗な道をトボトボ歩いて帰った。

まあ、威勢がいいのは今だけで、どうせ、おばちゃんに暴言はかれて、暴れられたら、即効心が折れるんだろうな。私。

そんなことを心の中で呟きながら、昨日も立ち寄ったローソンでお惣菜やサラダを買い、ビール、ハイボールで流し込んだ。

「なぜ、私はこの町のこのホテルで、あまり美味しくもないきんぴらを食べているのだろうか」

そうだった。人生は落とし穴の連続だった。今は片足を湿地に踏み込んでいる状態だが、ずぼっと沈んで、這い上がれなくなる前に、乾土に移動しておかなくては。
他人への肩入れや憎悪はほどほどにセーブして、自分の生活を守るんだった! 気を付けよう。

『ファーゴ』の続きでも観るつもりが、自問自答で2時間過ぎてしまった。そろそろ寝る準備をするかと、ぼちぼち症状が出始めた花粉症のクスリを飲んで、歯磨きして、Youtubeを観ていたら、寝落ちしてしまい、夜中の2時に目が覚めた。

「やばい。メールの返事してない」と一瞬思ったが、起き上がる元気はなく、照明を消して、そのまま朝まで眠り続けた。

よく寝たので、バイキングの朝食が美味しかった。


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