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夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神(水野敬也)

夢をかなえるゾウシリーズ4巻目は
「死」についての話である。

個人的にこの世界には
死を意識しながら生きている人間と
そうでない人間がいると考えている。

私はどちらかと言えば前者、
死ぬってどういうことだろう
自分が死んだら誰が泣いてくれるのだろう
はたまた
今すぐに消えてしまいたい
自分なんか生きている価値がない
ということを考え続けて生きている人間である。

本書では、我々は「石」であると説明し、
岩と石と砂の境目がないことを例に、
全ては繋がっており、同じものが変化し続けているという考え方を提示している。

過去と変わらず望まぬ死が絶えない
その一方で
死を望む者が居る現代において、
この考え方はどういった意味を持つのだろうか。

人は奪われたものに対して悲しみを感じるのであり、もともと無いものには悲しみを感じないのであること。
夢は死んだ後でも残り続けることなど、

哲学的で、考えればとにかく深いことが
小説としてすらすらと読めるところに水野さんの才能があると思う。

第5巻の発表を待ち侘びて。

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