初めて男の人に鳥になってくれと言われた春
すっかり飲みすぎて目覚めればとっくに昼過ぎ、のそのそ起き上がり冷蔵庫を開けると、そこには私宛のメモが貼り付けてあるプレートがあった。
「Good Luck! :) Love, セリーヌより」
プレートの上には、綺麗に焼かれた薄いクレープが何枚も重なっていた。
メモの端には、「ジャムか砂糖をつけて食べるとおいしいよ」と思い出したような走り書きがしてある。
そうだった――私は、きょう新居に引っ越してしまうセリーヌと、最後に朝ごはんをいっしょに食べようと約束していたんだった。