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『それでは聞いてください』っている?

エビ中にハマっている。

春ツアーも公演を重ね、次の参加は市川だ。(チケットあれば)

ありがたいことに、エビ中はライブの音源をサブスクリプションで配信してて、これを定期的に聞いてる。最近はrebootとkyo-do?のリピートだ。ライブに参加した後に、記憶を引っ張り出して音楽聴くの楽しいですよね。

私は今回の100%ebismがめちゃくちゃ好きだ。
他の人のレポ。自分のレポ。ありとあらゆるレポを目にして、音源を聴きながら思い返し過ごす。当たり前なのだが、私のレポは解像度が高くて(自分で書いたからね)まさに地産地消。もはや、地産地SHOW。

突然ですが、アイドルのライブを見ると必ず1回は出てくる『それでは聞いてください。』という曲振り。
皆さん、あれ好きですか?私は、あれ好きじゃないです。

ライブで楽しい瞬間っていくつもあると思うんですが、そのひとつに『イントロでバク上がり』があると思う。脳汁ドバドバ出て、イントロで涙腺ダバダバ溢れ、感情が迷子になるやつ。あれが楽しい。

エビ中の曲繋ぎはその最たる例だ。
YouTubeに公式が出してるEBINOMICS。
報連相からEBINOMICSにつながる繋ぎ。小林歌穂さんの口パクが始まった時にドキドキして、『I LOVE YOU BUDOKAN!!』から入るイントロで優勝してしまう。

この、『来るのか?来るのか?うわぁぁああー!きたぁぁぁあー!』(困惑)がライブでしか得られない興奮である。

それに引替え『それでは聞いてください』はどうだろう。

例えば、ここに恋愛ソングがあったとする。

『この曲は、初めて恋をする女の子の気持ちを歌った曲です。それでは聞いてください』

聞きゃわかる!新曲のリリイベなら分かるし飲める!しかし、ワンマンだと『聞きゃわかる!』になる。
いや、初めてライブ見る人もいるんですけど、そうやって言われちゃうと『初めて恋をする女の子の気持ちを歌った曲』ってイメージが着いちゃうじゃないですか。これが一番もったいないと私は思うんです。

音楽って色んな楽しみ方がある。伴奏が好きだったり、歌っている人が好きだったり、BGMとしてあまり内容は気にしなかったり。
私は普段、通勤中に音楽を聴くことが多い。往復1時間。音楽に没頭できる時間がある。
その中で私は『歌詞』に注意して聞くことが多い。好きなフレーズを探したり、前後の関係性を読み解いたり、疲れた体を電車で揺らしながら『し、染みるぅぅぅ...』と思ったり。これは読書に似た側面があるかもしれない。

そうやって聞いていると、歌詞に深く入りすぎて、恋愛ソングでもその奥の奥の方を想像してしまう。
一緒に行った場所、好きな食べ物、タバコの銘柄、行ったはいいが人が多くてちょっと疲れた江ノ島。
そういうのを考えるのが楽しい。楽しい故に、付き合ってもなければ別れてもないのに、一生の恋が終わったみたいなテンションになることがある。厄介。才能のない野田洋次郎みたいだ。

『それでは聞いてください』

はライブの限られた時間で曲の情報を与える役割を持つ。これは大事、本当に大事。
初めて見た人に曲が刺さって、次のライブにも来てくれるかもしれない。

ただ、私が本当に聞きたいのは歌う上で想像した推しの世界観だ。
作品を表現する上で、絶対に深堀がある。己の中に飼っている『才能のない野田洋次郎』に任せて、世界を深めそれを歌として出す。そのアイドルの中に潜む『才能のない野田洋次郎』の片鱗を見たい。

エビ中楽曲本で『曲のイメージを作るために歌う曲をイラストに書いてた。』という小久保。
そのイラストの世界観を知りたい。

小久保『日本語は『愛(あい)』から始まります。『上(うえ)』を向いて歩いているとつまづいてしまうけど、目を落とすと足元に小さな幸せがころがっていて『お』と気がつく。そういう少しの愛が実は大事だったんじゃないかって曲です。それでは聞いてください。曇天』

100点。
これが小久保柚乃さんが飼っている『才能のない野田洋次郎』だ。(こういう解釈かは知らないけど)
才能のある野田洋次郎なら、これでアルバム1枚作れちゃう。この独自解釈とそこから感じとれて、オタクの想像力も膨らんでいく。

『『今日どう?』って聞かれたら、『共闘』して世界を蹴散らしながら走り回りたい。君の『郷土』にお邪魔して、途中で『京都』に立ち寄って、これから『共同』で生きて生きたい。邪魔する奴がいるなら僕は『凶徒』にだってなるよ。そういう曲です。それでは聞いてください。kyo-do?』

『君と過した前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前世の夏の夜のことを歌いました。それでは聞いてください 23回目のサマーナイト』

(人生)23回目のサマーナイトとか野田洋次郎書きそうじゃないですか?

アイドルの放つ言葉や仕草、歌詞からの情報。こういうものをかけあわせて、物事を考えるのは楽しい。

『この曲の意味はあるけど言いません。皆さんが感じとったことが全てです。ライブが終わったあと思う存分Twitterで議論してください!私たちはそれを後で見に行きます!それでは聞いてください。でかどんでん』

あぁ〜!こう言われちゃったらでかんどんでんの歌詞を分析して深堀したくなるー!
文学的で一見意味のわからない歌詞を、無限に考察しながら酒を飲むやつがやりたい!お互いの価値観とか、想像力とか、そこのイメージに至った引用元とかの話がしたい!

実はそうやってオタクと飲んでる時間が、スペースが、文字のやり取りが、1番愛おしくて最高な時間で、エビを好きにならなかったらこんな楽しい時間はなかったので、1年前好きになった瞬間から、エビ中とオタクたちに感謝が止まらないです。

それでは聞いてください。

才能のない野田洋次郎って何?

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