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今、誰の地獄を見せられてるッピ?

僕はハッピー星のハッピー星人!
まずは君のことを教えて欲しいッピ

これが地獄の門の入り口である。

『タコピーの原罪』という漫画をご存知だろうか。ジャンプ+で連載中の漫画だ。

作品を一言で言うと『地獄のドラえもん』だ。
ハッピー星人のタコピーは地球に降り立つ。そこで笑わない少女『しずかちゃん』と出会うことから物語は始まる。
いじめ、家庭環境、様々な理由で恵まれないしずかちゃんを笑顔にする為に、タコピーはハッピー道具と言われる、SF(少し不思議)道具を使って試行錯誤する。

と言うのが大筋だ。
「○○のパクリ」というのは、新しい連載や、新しいアーティストが出てくると良くネット上で見かけるが、「あぁ、そう言う話ね」と私も舐めて読んでいた。
異星人がやってきて、地球の少女と出会い、不思議な道具で日々を華やかにしていく。あー。毎日楽しくなっちゃうなという期待はすぐさまゴミ箱に入れ、精神に武装をして1ページずつ心に鍵をかけながら読まないといけない。
完全に舐めていました。すいません。

1話を読み終えた時点で『え?そう言う話?』という完全に突き放された感じだった。宇宙に放り出された感覚。3話を読み終えた時点で「え?そう言う話?」と期待を裏切られ、11話を読み終えた時点で「もう...許してください」になる。

いいじゃん。少年少女ジュブナイル物でいいじゃん。しかし、恐竜も宇宙人も出て来なければ、世界も救わないし、映画だけいいキャラになる乱暴者も出て来ない。あるのは地獄だけだ。

タコピーは話を聞かない方が面白い。漫画は全部そうかもしれないけれど、タコピーは完全初見で臨んでほしい。だが、誰かに紹介したい。と思った時、一本の映画が頭をよぎった。

ヘレディタリー/継承

ミッドサマーの監督、アリアスターの作品だ。
亡くなった祖母が家族にあるものを残した。それに翻弄されながら、我々は家族という地獄を見せつけられる。

本当にこれに近いんです。
見ていたものがどんどん恐ろしい存在になっていく。翻弄され続けて、誰を信頼していいのかわからない。何を見せられているのかも定かではなくなる。

ヘレディタリーで1番怖かったのは、話の終着点が見えないことだった。私はタコピーでそれを感じている。どういう展開になったらこの話は完結するんだろう。何をもって、終わりになるんだろう。

タコピーもそうなのだ。
少し救いがあるかと思えば、こちらの予想を蹴散らして絶望に突き落とす。
『ここだけは、ここだけは期待を裏切らないはず』と縋り付けば、簡単に突き放してしまう。『なんだかよくわからない』うちに。
一方的に進み続ける物語から目が離せなくなり、胃が痛くなり、吐き気すら感じつつもページを進めずにはいられない。

『ま、まぁ、これは作り話だから』

と一方的に線を引くことでしか、物語から逃げられないのだ。

本当に、金曜日の更新が待ち遠しくもあり、胃が痛くもあります。いい加減、この辛さを1人で抱えることが難しくなり、職場で『タコピー読んでる?』と布教し、地獄に引き摺り込む活動を始めま。

まんまと3人、金曜日に死んだ目をするようになりました。ようこそ。

勇気あるものは是非検索し目を見て欲しい。
写真とか貼らない。
リンク貼られてるせいで、軽い気持ちで見ちゃったよとか言われても、私は責任を取れない。

地獄の門をあなたの手で、叩いてください。

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