白昼夢

「闇」って本当に悪いものなのかな、って思うんです。
今の世の中って、SNS もそうだし、いろいろ見たくないものも見せつけられるじゃないですか。それならいっそ真っ暗で何も見えない方がいい。
古代エジプト時代、王の怒りを買った神官の中には、瞼を切り取られて砂漠に放たれたものもいたそうです。「ほとんどが亡くなったが、中には洞窟を見つけて、一生闇の中で生き延びたものもいた」という話があるそうです。
今の世の中、僕らは瞼を切り取られて砂漠に放たれているようなものだな、と。
それでも歩いていこう、遥か彼方、日の昇る地の果てまで。
そういう気持ちでこの歌を書きました。
(歌詞を読みたいというDMいただきましたので、再度、歌詞と共にアップします。)

  ・・・

「白昼夢」/ 詞・曲:セキヒロタカ

もうどれくらい夢を見てないだろう。
暗闇のない日々は、それ自体が暗闇のようだ。
どこまで続くのか分からない砂丘をいくつも越えた。
白昼の暗闇を、ただ歩いている。

夏の吐息のように、限りなく透明な、
ただ熱を帯びただけの存在になっていく。君は。

あまたの夢が、通り過ぎて行った。
終わらぬ昼が、始まる前に。
瞼を失った君は、星にさえ目が眩む。
漆⿊の闇だけが、君を癒す。

瞳を閉じることを 許されぬ君は
瞳を開けながら 目を閉じることを覚えた
目を閉じて、闇を歩こう。陽の沈む海の底まで。
目を閉じて、闇を歩こう。陽の昇る地の果てまで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?