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限界

句題 : 急所
上司受け出世する奴しない奴 / クマ撃つな捕獲せよなら俺も云う

通りすがっても挨拶もしなかった。オレとはあまり親しみたくないのか?と思いこんでいた人(シニア男性)が直接に話しこんでもみると実は熱心に特定分野を勉強していてお人柄もソフトであることがわかった。2023年末に人間関係の良き邂逅である。たまにメール交換で情報を得たいと御礼メールを出した。反応はない。その方の分野ではなかったかも。

12月13日歌声広場の受付でいただいた封書に入っていた。郵送の方も、ファックスの方も、どうぞ。デジタル機器が使えない人々へ自然体の配慮がある。

歌人・科学者の永田和宏さんが「歌をよむとき、本当に大事なのは何が表現されなかったのか」「一番言いたいことは(直接的な言葉で)歌で言ってはいけない」鑑賞とは、その表現されなかった「寂しい」「感激した」といった感情を読み取り、デジタルな言葉からアナログな情報を再構築すること。AIはもやもやしたアナログの感情をデジタル化できない。AIの限界である。(新聞転載、どの新聞か忘れた)。

今月の句会に出さなかったが 同病が憐れむ如く悲と寂も は同じような句意。クスッと笑える要素はない。心臓疾患、脳梗塞、ガン治療中、神経症etc、同病が相憐れむのは憐れ(暗い)の増加でなく、心底を共有し合えたという喜悦があるのではなかろうか。我々は他の外形を見て傲慢にも「大変でしょう」「寂しいですね」などと発してはならない。

12月10日にクラスメートが逝去したことを12月21日に知った。家族葬で送られたようだ。メールやLINEなど瞬間ツールはあるが、訃報ルートは遠隔地に住む友人の電話だった。彼ら二人の交流はもっぱら電話とハガキ、封書、郵便物だった。ネットでは大事なことがすっぽり抜ける。それを意識して「ご逝去お知らせ」CCメールをした。12月23日の近場懇親会11名、目の前で褒められる人、不在ながら尊敬される人、無言のうちにみんなの信頼を集める人、陰口無しの宴会。