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最先端の経営学論文に学ぶ - 遠い未来を今すぐ実行!目標を持続させる3つのステップとは?

経営学のトップジャーナルに掲載された最新の英語論文から、ビジネスパーソンが明日から使えるアイディアを引っ張り出そうというこの企画。

「未来のために今、何をすべきか?」なんて考えたことありますか?目標を立てても、目の前の仕事に忙殺されて「あれ、何だったっけ?」なんてことになりがちですよね。

今日は、"Academy of Management Journal"8月号に掲載されたミリアム・フュルズ氏ら(コペンハーゲン・ビジネススクール)の論文「遠い未来に向けたアクションの実践法:道の実現を通じて遠い未来の目標に向かう方法」をご紹介します。

遠い未来を見据えて、今何をすべき?

この論文では、「パス・エナクトメント(道の実現)」という新しいプロセスを提案しています。一見意味不明ですが、要は長期的な目標を夢で終わらせないための方法です。

私たちは往々にして、壮大な目標を立てても、目の前の仕事に忙殺されて「あれ、なんだっけ?」なんてことになりがちですよね。

そこで登場するのがパス・エナクトメントです。これは、目標までの道筋をはっきりと描き、その道をどうやって進むかを具体的に決めることで、実際の行動に繋げるための手法です。以下の3つのステップで進めていきます。

  1. 道の想像(Path Imagining):
    まずは、ゴールにたどり着くためにいろんなルートを「想像」します。ここでは「今、何ができるか」ではなく、「こうしたら面白そうだな」とか「こんな未来があったらいいな」を自由に考えてOK!未来を描くことで、どんな道があり得るのかを洗い出します。

  2. 道の統合(Path Integration):
    次に、その想像したルートやアイデアを「実際の業務や戦略に組み込む」ステップです。ここでは、道の想像で出てきたアイデアを具体的な行動計画に変えていきます。たとえば、未来の目標に関連する要素を現行プロジェクトに追加する、新しい技術を試してみる、など具体的な形に落とし込みます。これにより、目標達成に向けた日々の行動が明確になります。

  3. 道の拡張(Path Stretching):
    最後のステップでは、「未来の目標をより現実的で手の届くものにする」ために、設定した道筋をさらに広げます。これを実現するために、最初の行動を小さな成功に分けて、それを積み上げていきます。大きな目標に向けた進展を少しずつ作り出し、その成果を積み重ねることで、遠い未来の目標が少しずつ現実のものになっていくのです。たとえば、5年後の新規事業の成功を目指すなら、まず1年目に試験的なプロジェクトを開始し、そのフィードバックを得て次の段階に進むといったように、段階的に進める方法です。

明日からできる!最先端研究から学ぶライフハック

世界最先端の研究論文の叡智を、明日からの私たちの生活に活かすためのアイディアをご紹介。

ライフハック1: 「未来会議」でタイムトラベルごっこ
一度、職場のチームで「未来会議」を開催してみましょう。テーマは「未来の自分たちへのインタビュー」。「5年後の自分なら、今の私たちにどんなアドバイスをする?」といったお題で、チームメンバーと話し合ってみるのです。大事なのは「今」ではなく「未来の自分」からの視点で考えること。きっと、未来の自分が褒めてくれるような意外なアイデアが見つかるはず!

ライフハック2: 小さな目標に「レベルアップ」演出を
大きな目標を立てたら、それを小さなステップに分けて、それぞれの達成をゲームみたいに「レベルアップ」感をつける演出をしてみましょう。例えば、「次の会議で1つ新しいアイデアを発表したらレベル2達成!」とか、「メール処理の時間を10分短縮できたらボーナスポイント獲得!」とか。ちょっとしたゲーム感覚を取り入れることで、日々の業務がちょっと楽しくなり、未来への道筋が少しずつ見えてきます。

未来は、今日の一歩から!

未来を考えるって、時には重たいこと。でも、やってみると意外と面白い。今日の小さな行動が、あなたの会社の未来を変えるかもしれません。

出典:

Feuls, M., Hernes, T., & Schultz, M. (2024). Putting Distant Futures into Action: How Actors Sustain a Course of Action toward Distant-Future Goals through Path Enactment. Academy of Management Journal. https://doi.org/10.5465/amj.2022.0257

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