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第103回全国高校野球選手権大会出場校紹介2

出場校紹介・関東編

茨城
鹿島学園(初出場)
鹿嶋市、私立
創立は1989年。
主な卒業生: 上田綺世(サッカー日本代表、J1鹿島)、青木翔大(J2群馬)、西谷和希(J1徳島)
春夏通じて初出場。サッカー部、レスリング部、ゴルフ部などが強豪。女子サッカー部など女子運動部の強化も進んでいる。
日大藤沢時代に2度甲子園へ導き、日大時代に村田修一・館山昌平・長野久義等を育てた名将・鈴木博識監督の下、初の聖地行きを掴み取った。エースの薮野は最速139キロながら45回1/3を投げ自責点4と安定感のある投球を見せた。昨秋今夏と決勝で常総学院に完投勝ちするなど成長著しい。打線も背番号2桁の選手が高打率を記録し総合力は高まっている。
サッカーの街・鹿嶋から野球の聖地・甲子園へ。鍛え上げられた精神力を糧に新たな旋風を巻き起こす。

栃木
作新学院(10大会連続16回目)
宇都宮市、私立
創立は1885年。
主な卒業生:江川卓(元巨人)、石井一成(日本ハム)、今井達也(西武)、萩野公介(競泳)、斉藤和義(シンガーソングライター)、いとうかなこ(歌手)
春優勝1度、夏優勝2度の名門校。1962年に史上初の春夏連覇を成し遂げた。軟式野球部、ボクシング部、自転車競技部、弓道部、ラグビー部、演劇部なども強豪。
各地で強豪校の連続出場が途絶える中、安定した戦いぶりで10大会連続の甲子園を掴み取った。突出した選手はいないものの、総合力で勝ち上がった。特に代打の切り札・戎は県大会で代打打率10割を記録。決勝戦で代打ホームランを放つなど全員野球を象徴する存在になった。
絶対的な存在がいなくとも勝ち上がれるチーム。その集大成となる今大会。目指すは5年ぶりの頂点だ。

群馬
前橋育英(5大会連続6回目)
前橋市、私立
創立は1962年。
主な卒業生:高橋光成(西武)、小川龍成(ロッテ)、松田直樹(元サッカー日本代表、故人)、細貝萌(元サッカー日本代表)、坂元達裕(サッカー日本代表、J1C大阪)
硬式野球部は2013年夏初出場初優勝。サッカー部は2017年選手権優勝の強豪で多くのJリーガー、日本代表選手を輩出している。
チームの中心は4番を打つ皆川。高校通算26本塁打の左の強打者。投手としても最速147キロを記録する。エースの外丸は最速144キロでカーブを交えながら緩急で相手を翻弄する。決勝ではセンバツ出場の健大高崎を延長戦の末に破り、外丸が相手の強力打線を1失点に抑えて完投した。
覇権奪還へ。まずは2018年以来の夏1勝を目指す。

埼玉
浦和学院(3年ぶり14回目)
さいたま市緑区、私立
創立は1978年。
主な卒業生:大竹寛(巨人)、小島和哉(ロッテ)、榊原翼(オリックス)、渡邉勇太朗(西武)、若狭大志(J2東京V)、本木雅弘(元シブがき隊)、菜々緒(女優・ファッションモデル)
硬式野球部は2013年春優勝。夏最高成績はベスト4。男子ハンドボール部、硬式テニス部、吹奏楽部などが強豪。
最速146キロ右腕の三奈木は県大会で不調だったものの2年生エース左腕の宮城、内野手も務める吉田匠、金田、左腕の芳野など投手陣は豊富。打線はどこからでも点が取れ、ここ一番での集中打で流れを掴む。吉田瑞、藤井、高松の主軸は勝負強く長打もある。
県大会決勝で森監督が今夏限りでの退任を発表した。浦学を県内屈指の強豪校へ成長させ、センバツ制覇にも導いた名将。生徒たちから慕われる監督との最後の夏。目指すはただ一つ。同校初の夏全国制覇だ。

千葉
専大松戸(6年ぶり2回目)
松戸市、私立
創立は1959年。
主な卒業生: 上沢直之(日本ハム)、高橋礼(ソフトバンク)、横山陸人(ロッテ)、小柳達司(J2甲府)、東白龍(十両)、仲村トオル(俳優)
専修大学の付属校。今春センバツに続き春夏連続出場。今春関東大会を制覇し、今夏県決勝では木更津総合とのタイブレークの末、サヨナラ満塁本塁打で優勝を決めた。
エースの深沢は最速145キロのサイドハンド右腕。センバツ初戦の中京大中京戦ではベスト4まで進出した相手打線を3安打2失点に抑えて完投した。外野手の吉岡はパンチ力に加えて俊足も持ち味。県大会決勝でサヨナラ満塁本塁打を放ち、涙を流しながらホームに帰ってきた姿が印象的だった。
今春センバツでは好ゲームを見せたものの打線が沈黙し初戦敗退。その悔しさを糧に打線の強化に取り組んできた。甲子園の借りは甲子園でしか返せない。まずは聖地初勝利を目指す。

東東京
二松学舎大付(3年ぶり4回目)
千代田区、私立
創立は1948年。53年に現校名に。
主な卒業生:鈴木誠也(広島)、大江竜聖(巨人)、秋広優人(巨人)、初芝清(元ロッテ)
九段下に構える私立校。硬式野球部のグラウンドは柏にあり、春準優勝の経験もある。ダンス部も強豪。
エースの秋山は171センチと小柄ながら最速146キロの都下トップクラスの左腕。重い直球は空振りを奪い、右打者の内角を強気に突くクロスファイアも武器。打線も概ね好調で特に秋山は打撃でもポイントゲッターの役割を担う。
秋山が全国の舞台でどのような投球を見せるかが見もの。4度目の夏。いよいよ頂点を目指す戦いが始まる。

西東京
東海大菅生(4年ぶり4回目)
あきる野市、私立
創立は1983年。89年に現校名に。
主な卒業生: 髙橋優貴(巨人)、勝俣翔貴(オリックス)
東海大学の提携校。男子バレーボール部、サッカー部、ラグビー部、吹奏楽部なども強豪。
春夏連続出場。センバツはエースの本田が肩の怪我のため中心的な活躍ができず。しかし、背番号2桁の選手が活躍を見せ、底上げされたチーム力でベスト8まで勝ち進んだ。
その本田は今夏復調。最速143キロの直球と変化球を組み合わせたコンビネーションで打者を幻惑する。2年生ながら4番に座る小池は元プロ野球選手で現DeNAコーチの小池正晃の息子。彼を含めた上位から中軸は破壊力が高く、下位打線も繋がりがある。
センバツで最も悔しい思いをしたのは本田だろう。もう一度甲子園へ。その目標は達成できた。次の目標はセンバツ超えだ。

神奈川
横浜(3年ぶり19回目)
横浜市金沢区、私立
創立は1942年。創立から長らく男子校だったが2020年に共学化された。
主な卒業生:松坂大輔(西武)、涌井秀章(楽天)、筒香嘉智(レイズ)、近藤健介(日本ハム)、柳裕也(中日)、鈴木尚典(元横浜、BC神奈川監督)、北川悠仁(ゆず)、上地雄輔(タレント)
春2度夏3度優勝、1998年に春夏連覇を達成した名門中の名門校。他にアーチェリー部、バドミントン部、自転車競技部、剣道部、柔道部、アメフト部、水泳部などが強豪。
センバツ優勝の東海大相模がクラスター発生により出場辞退となった波乱の神奈川大会を制したのは、名門復活を掲げる横浜だった。昨年4月に就任したOBの村田浩明監督がチームを改革。涙の就任後初出場を決めた。
最速148キロ左腕の金井は怪我の影響でコンディションを落としているものの打線を牽引。背番号1を背負う山田、1年生左腕の杉山、サードと二刀流の宮田など選手層は豊富だ。
基本を徹底させて生まれ変わった新生横浜高校。覇権奪還へ、新たな挑戦が今始まる。

山梨
日本航空(13年ぶり6回目)
甲斐市、私立
創立は1932年。79年に現校名に。
主な卒業生:八木智哉(元中日、中日スカウト)、鈴木翔大(JFLいわき、鈴木優磨の兄)、周余冶(J2水戸)
航空科が設置されており、パイロットなどの育成が行われている。バレーボール部やサッカー部も強豪。
チームの中心はエース左腕のヴァデルナ・フェルガス。今春関東大会で東海大相模に3失点完投勝利を挙げ、一躍スカウトの注目を浴びた。最速136キロながら188センチの長身から投げ下ろす直球は角度があり、スライダーやカーブなどを交え打者を料理する。打線はエドポロケインに注目だ。
準決勝ではセンバツ出場の東海大甲府に競り勝ち、決勝では富士学苑との接戦を制するなど、春に得た自信を胸に勝負強さも身につけている。6月に校内で発生したクラスターを乗り越えた姿を聖地で見せられるか。

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