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フリーランス育休なし×男性育休6か月とった夫婦の産後半年振返り

複業フリーランスのさつきです。
中小企業の採用支援や、人事/労務/採用などに特化した編集・ライターとして自営業4年目になります。
今回は、私がフリーランスとして第一子を出産してから半年間の仕事、育児などの振返りを書きます。

男性育休を長期間取得したこと、女性が早期復職すること、フリーランスで産休・育休なしの女性は会社員と何がどう違うかなど、マイノリティ事情について記録したいと思います。

前提条件

  • フリーランス4年目で基本、在宅勤務

  • 1日の平均稼働時間は4時間前後、忙しい日は7~8時間

  • フリーランスのため産休、育休なし

  • 無痛分娩、完ミ育児

  • 旦那は会社員、技術職で現場に行かなくてはならないので在宅、リモートは100%無理な職種

  • 夫婦ともに実家が遠く、簡単に子を預けられない状態

産後1か月目・産褥期は実家へ

2023年8月、予定日ぴったりに女の子を出産。出産日から旦那の6か月育休がスタートしました。
生後1か月のみ、私の実家に夫婦+赤ちゃんで帰省。私の父親は他界しており、母と兄+犬が住む実家で産褥期を過ごしました。

産後1か月を実家で過ごして良かったのは、とにかく人手があって産褥期の療養に集中できたことです。日中、母はパート勤務ですが、スーパーの買い物や夕飯準備、お風呂の準備、洗濯などをやってもらえました。旦那は沐浴、車が必要なときに母のお迎えと買い物、赤ちゃんのミルク、おむつ、抱っこ、お昼ご飯の準備、洗濯干したりたたんだり。とにかく何でも対応してくれました。

私はまだ骨盤ががたがたでまともに歩けず、日中は股と腰が痛かったのでほとんど横になっている必要がありました。悪露もしっかり出ていたので、トイレの回数も多く、さらに骨盤が緩んで頻尿気味でつらかったです。

また、我が家は新生児のときから、たまたま完ミにしたのも良かったです。ミルク育児だと「お母さんじゃなきゃできない」ということが1つもありません。母乳だとどうしても必然的にお母さんと一緒にいる時間が増えますが、ミルクなら誰でもできます。

この時期は、夜2回ほどお腹が空いて赤ちゃんが起きますが、夜勤対応はほぼ旦那が担当してくれました。おかげで、「産後のママはまじで寝れない覚悟しとけ」と言われていたのが噓のよう。私はひたすら寝ることができました。多分普通に夜8時間、昼寝1~2時間とか…。

生後2か月目、3人での新生活スタート

生後2か月目には実家を出て、夫婦+赤ちゃん3人の新生活が始まりました。魔の3週間と聞いたことがある人も多いと思いますが、我が子もしっかり魔の時期に入り、とにかくよく分からないけど泣く、ぐずって寝れない、泣く…という時期がありました。
もう実家ではないので、夫婦どちらかが洗濯、買い出し、料理、ごみ捨てなどのタスクをこなさなくてはなりません。その中で赤ちゃんの謎の泣きが続く日々。2か月目はまだまだ赤ちゃんの生態が分からなすぎる×産後メンタルで私も弱っていたので、何度かつらくて泣いたこともありました。
でも、いわゆる産後鬱にならなかったのは、常に育休中の旦那が横にいて、私が赤ちゃんと2人きりになる時間はほぼなく、完ミのため100%旦那が育児参加できる。この条件が揃っていたためだと思いました。

生後3か月目になると、赤ちゃんとの生活にも慣れて私は本格的に仕事復帰を試みます。実際には9月末に少し仕事をしていましたが、さすがに産後1か月少しだとマミーブレインなのか全然言葉が出てこなかったり、情報処理スピードが遅かったり。
その後調整を続け、11月後半には産前と同じだけ売上が戻ってきました。フリーランスはノーワーク・ノーペイですから、売上確保が一番の精神安定になります。良かった。

繰り返しになりますが、生後3か月で産前と同じ量の仕事をこなせるようになったのは、次の要素が揃ったためだと思います。

  • 産褥期に完全に療養に集中できたこと

  • 完ミなので母乳トラブルがなく自分の体力回復にひたすら集中

  • ミルクなら男も女も関係なく対応できるので夜間ミルクを任せて自分は爆睡できたこと

  • 旦那が育休で家にいて、家事を完全に任せたこと

1個でも欠けていたら、産後女性が早期復帰なんてできるわけないと心底思いました。

産後4か月目・義実家への長期帰省&塾復活

産後4か月目には、北海道の義実家に2週間の長期帰省をしました。この体験は、男性が育休をとったから実現できたことです。前提条件にも書きましたが、旦那は現場で手を動かす技術職のためフルリモートで働くことはできません。そのため、社会人になってから長期帰省はしたことがないです。

こんなチャンスは二度とないと考え、思い切って赤ちゃんと夫婦3人まとめて帰省させていただきました。義実家でも私は、昼前にコワーキングスペースに車で送ってもらい、日中は旦那と義母に赤ちゃんを任せて1人がっつり働いていました。
甘えに甘えまくってしまい、赤ちゃんを任せて、旦那と2人で近所の銭湯(というか温泉)に何度も行かせてもらったり、ひたすら美味しい北海道グルメをいただいたり…。

また、11月から社労士の勉強を再開することになり、資格の大原に通い直しを決めていました。北海道にいる間も、昼間は仕事、夜や朝は通信で大原の授業を受けるなど勉強時間も確保。
つい最近、「育休中のリスキリング」という発言で炎上した件も記憶に新しいですが、育児をしながら勉強するには、とにかく人手がないと無理です。義両親がいて、日中は旦那がいて、子を安心して好きな時に任せられる環境が整わなければ勉強なんて無理。
仕事も勉強も再開できる環境を与えてくれた義両親、旦那に感謝しながら北海道での時間を過ごしました。

産後5か月・育児疲れと手術

ここまで順調に過ごしてきたものの、産後5か月目、2023年の12月は非常に苦しい時期でした。

12月初旬に、卵巣嚢腫の手術で私は6日間の入院をしました。実は妊娠初期のエコー検査で卵巣に腫瘍があると知り、産後早めに手術をしようと話していたんです。卵巣嚢腫は30代女性に多いですし、全身麻酔とはいえ腹腔鏡手術なので、そこまで身体に負担はありません。
しかし小さい赤ちゃんを6日間も旦那1人に任せて、家を離れるには精神的につらかったです。

入院の初日、恐らく私がいなくなったのを察した赤ちゃんが、夜中にありえないくらい泣き叫び、手が付けられなかったそうです。さらに入院2日目に旦那が子と外出していたら、抱っこ紐している赤ちゃんの足をいきなり見知らぬ人に触られる事件も発生(いるんですよね、いきなり赤ちゃん触ってくる人…)。よりによって私が帰れないときに事件が起きたため、旦那のメンタルが一気に下がってしまいます。

手術は無事に終わったものの、退院後1週間は私も安静にしなくてはならず、赤ちゃんの抱っこが出来ない状況。そこに追い打ちをかけるように、なんと旦那が発熱してしまいました。

私は退院後、12月年末に向けて仕事のしわ寄せがきていて物凄く忙しかったのですが、まさかのタイミングで発熱されたため、もうカオス。
結果的に、コロナ、インフルエンザのどちらでもなかったものの、旦那が発熱したため私は赤ちゃん抱っこであやしながら仕事をして、無理過ぎて発狂して泣き、夫婦喧嘩となり、もう色々と最悪でした。
振り返ってみると、育休5か月目になり、私が入院してワンオペし、旦那にもめちゃくちゃ疲れがたまって発熱したのだと思います。
育休中、ミルク、おむつがえ、皿洗い、車の運転、ごみ箱のごみチェックして袋変えてごみ出し、お風呂準備、洗濯、洗濯干して取り込んで仕分け、赤ちゃんの抱っこと日中の相手、そして嫁のケア…。
これだけやれば疲れます。

(※追記、予防接種の予約&病院探し&各予防接種に連れていくのもすべて旦那がやってくれてたので…本当に全部任せて私は仕事に全振りしていたから、そりゃ疲れますよねと)

ちなみに、旦那の熱が治った後、見事に私も風邪をひいて1週間こじらせて年末はほぼ記憶がない状態でした。。

生後6か月目・一時保育を探して復職までのカウントダウン

年が明けて夫婦ともに体調も良くなり、いよいよ旦那の復職までカウントダウンが始まりました。旦那がいなくなると完全に私がワンオペで自営業の仕事もこなさなくてはならないです。
保育園は週5で入れることも考えましたが、川崎エリアは保育料が高いので有名らしく、産んでから聞いて驚いたのですが毎月8万超の保育料でした。正直、値段を聞いた瞬間にそんな金額払うのばかばかしいと感じてしまい、結果的に一時保育を使ってみることに。
一時保育は、認可だと1日2900円なので、週2~3で利用しても月3~4万円。これなら許容範囲かなと考えました。

年明け、私が仕事をしている間に、旦那は片っ端から近隣の保育園を探して上から下までテレアポしてくれました。もちろん保育園関係の申し込みはアナログなので、電話→訪問→書類大量→子を連れて面談というステップが必要です。

事務仕事は別に得意ではないものの、保育園探しは1から10まですべて旦那に任せ、私はひたすら仕事・勉強・仕事・勉強たまに料理。そんな感じです。

幸いにも1つだけ2月から利用できる保育園を見つけ、週2日だけ利用することになりました。利用できるのはありがたいですが、家から直線距離で30分歩く距離。正直もう心が折れまくりです(この辺の話は長くなるので今回は割愛しますが)

そうして、あっという間に6か月の育休は終わり、2月半ばから平日の週2は保育園。週3は私がワンオペ保育しながら無理やり家でフリーランスの仕事をするという生活が始まりました。

この半年の総括

この半年間を振り返ると、とにかく旦那に育休をとってもらえてよかった。この一言に尽きます。しかし本人も言っていますが「6か月じゃ足りない」し、「6か月たった後も子育ては大変」です。「1か月じゃ何もできない」とも言っていました。あとは「休みすぎて社会復帰できるか不安」という話もしていました。

また、私が思ったのは、「ママじゃないと無理」というのは「ママじゃないと無理な環境にしているから」ということ。「男は育児できない」ではなく「性別より人による」「やらなきゃいけない環境にいればやるだろうね」ということ。

「産後は、妊娠中よりも大変だよ、寝れないから覚悟して」というのは、「うまくミルク育児を取り入れたり、旦那にも協力してもらえれば寝れる。少なくとも私は妊娠中より産後の方が睡眠時間確保できた」です。

決して、私はこんなにできてるよと自慢したいわけではないです。ただ、「育児はこうなんだ」「育児してるとこれはできない、あれもできないんだ」という否定的な話ばかりではないこと。夫婦で協力体制を整えれば、女性の身体的な復帰も早くなるし、勉強もできるし、仕事の復帰もできて日本の労働力の確保にもつながること。つまり、男性も育休取った方がいいよねという話です。
人間が1人産まれているんだから、「仕事休めないから」とかじゃないです。お母さんだけでなく、お父さんも親だから、そこに性別は関係ありません。
逆の視点で言うと、「女は家の大黒柱じゃないし」「女は稼げないじゃん」というのも昔の話。私の周りでは、奥さんの方が稼ぎが良くて、、、っていう家庭がけっこうあります。
適性や役割分担の問題なので、夫婦で話合って、仕事が得意な方、育児が得意な方がうまくやっていくのが良いよなぁとつくづく思いました。

金銭的な課題

最後に、自営業妻と育休夫のペアだとお金どうなの?という話。ご存知の通り、育児休業給付金は育休取得後だいぶ時間があいてから振り込まれます。
我が家は8月半ば出産し、1回目の支給が12月末でした。

私は7月から仕事を止めていたので、7~10月頃までは貯金を切り崩して生活する日々。夫婦ともに無給状態が約4か月ほどとなりました。

今後は、お母さんもお父さんも育休をとる世帯が増えると思います(増えなきゃ困る…)。そうなると、貯金していない夫婦は産後、非常に生活が苦しい。私は妊娠中に必死に働いて貯金したので問題なく生活費を払えましたが、フリーランスだとノーワーク・ノーペイで妊娠出産期のお金は厳しいのは事実です。

なお、出産費用は川崎エリア・無痛分娩で87万円。妊婦健診を含むと50万以上の自腹を切って産んでいます。金銭面は今後もうまくやっていかなきゃなと、切実に思いました。

最後に。
何度も書いていますが、本当に旦那が6か月いてくれてよかったです。さつきさんの旦那さんって凄い人(育児できて凄いの意味)なんだねと、褒めていただくことも多いです。でも我が家の旦那が特別なわけではなく、産まれた日から夫婦が同じ目線で、赤ちゃんと向き合ってきたから今があるんです。私も旦那も初めての子育てで全然何もできなかったし、スタートラインはみんなと同じ。違ったのは、夫婦同じ目線で子育てするぞと意見が合致したこと、お互いの得意分野で家庭内の役割を果たそうと、それぞれが助け合って努力したことなのかな…と思いました。

意見が食い違うことも多々あります。
でもどこかで落としどころを見つけて協力しないと、子は育てられないです。

また思い出したことがあれば加筆しますが、一旦ここで6か月の振返りを終わります。子育て中の方、これから第一子を迎える方、フリーランスや男性育休に悩んでいる方などの参考になれば幸いです。

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