星の王子さま~宮崎駿さんも魅せられた『かくしているから』~
サン・テグジュペリの「星の王子さま」の、みんなが知っているフレーズ
サン・テグジュペリは、これを伝えたくて伝えたくて仕方がなかったんでしょう。
「星の王子さま」を読んでいると、くり返しくり返し、このメッセージに出会います。
大切なこの秘密を、王子さまに最初に教えてくれたのは、仲良しになった”キツネ”です。
キツネは王子さまに、『仲良くなる』とはどういうことかを教えてくれます。
王子さまの小さな星に、どこからか種が風に飛ばされてきて芽吹いたバラの花がありました。
本当に美しいバラでしたが、とてもワガママで、王子さまに世話ばかりかけ、いじわるを言います。
それで王子さまは苦しくなって、故郷の星から逃げ出してしまったのです。
王子さまは、キツネとの出会いで、故郷に残してきたバラの花が、自分にとってかけがえのない存在であったことに気づきます。
「星の王子さま」の主人公は”ぼく”。
”ぼく”はサン・テグジュペリ自身です。
”ぼく”はパイロットで、飛行機が故障してサハラ砂漠に不時着したところ、”王子さま”に出会います。この本の中心となっているのは、王子さまが”ぼく”に語って聞かせてくれた、自分のこれまでの物語です。
王子さまは”ぼく”に言います。
これ、どこかで聞いたことありませんか?
宮崎駿さんは、サン=テグジュペリの熱心な愛読者として知られています。
二人とも飛行機が大好きで、通じ合うものがあるんでしょうね。
「天空の城ラピュタ」の主題歌「君をのせて」が、この王子さまの言葉から生まれたのは間違いありません。
王子さまが地球にやってきて一年がたち、王子さまの故郷の星がふたたび頭上に輝きました。
そこで、王子さまは、バラのいる星へ帰ることを決心し、”ぼく”と別れます。
別れぎわ、王子さまは、また言います。
この世界にある誰かひとり、何か一つを愛するだけで、この世界は輝いてみえてくるんです。
この作品は、サン・テグジュペリが、地中海海戦で飛行機に乗ったまま消息を絶つ前年に、アメリカで出版されました。
母国フランスでは、消息を絶った翌年に。
彼のメッセージは、こんなにも長く、広く、私たちの心を、世界を、照らして続けてくれています。
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