【うろうろてくてく、サツダイ自然さんぽ#2 大学の森】
みなさん、こんにちは!
12月に入り、一気に真っ白な冬がやってきましたね。
「大学の森」のご紹介
今回は、札大のキャンパス内にある「大学の森」についてご紹介したいと思います。
大学の森は、札大キャンパスの北西側に位置する森林です。広さはおおよそ3.5ヘクタール。サッカー場、第2球技場(ラグビー場)、陸上競技場に隣接していて、外から見るとこんもりとした森です。
この森の中は、いったいどのようになっているのでしょうか。
サッカー場の脇から第2球技場へとつながる小道があり、一歩足を踏み入れると…、
そこは、いきなりとっても「森」です!!
ヤチダモ、ハリギリ、ハルニレといった落葉広葉樹が高く頭上を覆い、その下にはヤマモミジ、ヤマグワ、タラノキなどの中~低木や、幼樹・稚樹も多くみられます。春先~夏にかけては林床の草花が四季折々の花や実をつけるほか、蛇行する小さな水路もあり、水辺を好む植物もあります。林内には枯れ木や倒木もあり、とても自然な森の姿をしていると言えます。
また、この落葉広葉樹林の西側には、植林されたカラマツなど針葉樹が多いエリアもあり、樹木だけでなく林床の草花も落葉広葉樹林とは異なっています。
都市部の大学キャンパス内に、小さいながらもこのような森が残されているということは貴重なことです。今後、この大学の森についても、この連載で少しずつ紹介していきたいと思います。
「大学の森」冬のはじまり
さて、紅葉が終わり、樹々の葉が落ち始めると、冬はすぐにやってきます。
あれほど青々としていた森もスカスカとして、まだ雪が少ないこの季節は特にさみしげな印象です。
でもこのスカスカのおかげで、夏には気づかなかった発見があったりもします。
ヤドリギ発見
樹木の高いところにある、丸くて、もさもさっとしたものは何でしょう。
鳥の巣のようにも見えますが…、
これはヤドリギです。
ヤドリギは、落葉広葉樹に寄生する常緑の小低木です。光合成もしていますが、根を樹木の枝や幹の内部に張り、樹木から水と栄養をもらって成長します。
赤い実を付けるものはアカミヤドリギといいます。
実は鳥に食べられ、フンと一緒に種が樹木の上に落ち、その場所で発芽します。種の周りの果肉がとてもねばねばしているので、樹木の枝にくっつきやすいと言われています。
大学の森の樹木ではずいぶん高いところに付いていますが、サッカー場横のナナカマドなどに付いているものは、わりと近くで観察できますよ。
冬の森さんぽ
いま、大学の森には少しずつ雪が積もりつつあります。
日中でも零度前後のこの季節、しっかりと着込まないとのんびり散歩もできませんが、サクサク雪の道を歩きながら、景色や森の音を感じるだけでも気持ちがいいものです。
見上げてみると、樹々の葉がなく見通しが良い分、枝の先端までよく見え、樹木の高さを実感できます。高さは20m程あるでしょうか。
風の穏やかな日、少し立ち止まって耳を澄ませてみると、野鳥の鳴き声や、キツツキが朽木をたたく音がはっきりと耳に入ってきます。運が良ければ、エゾリスの気配も。
終わりに
冷え込みが厳しくなるごとに屋外で過ごす時間が減っていきますが、自然はこの時期にしか見られない姿を見せてくれますよね。年末の忙しい毎日ですが、身近な自然に少し目を向けてみると、新しい発見があるかもしれません。
※「大学の森」では、頭上からの落枝に十分気を付けてください。特に、風の強い日や雪が多く降った時は、落枝のほか倒木の危険もありますので、むやみに森に立ち入らないようにしましょう。また、安全のため、歩道以外の場所に踏み込むことはやめましょう。
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