野鳥にストレスを与えずに近くから撮影する5つのコツ
こんにちは、フォトグラファーのSATです。
この番組では皆さまの写真ライフが楽しくなるような話題を取り上げています。
今回は野鳥にストレスを与えずに近くから撮影するコツについてお話したいと思います。
というのは、以前に野鳥を高画質に撮るには「近距離からの撮影が有利」とお話しましたが、ふつうは人間から野鳥に近づくと100%の確率で飛び去られます。
じゃあ、どうすれば近くから撮影出来るのか?ってお話です。
では、さっそく。
結論
はじめに結論を申し上げますと
野鳥にストレスを与えずに近くから撮影するコツは難易度の低い順に次の5つになります。
1.野鳥が来そうな場所で待つ
2.野鳥の移動方向を予測して先回りして待つ
3.野鳥に気づかれないような超スロースピードで接近する
4.死角からゆっくり接近する
5.しつこく通って野鳥の警戒心を緩ませる
ということで、詳しくお話していきましょう!
野鳥が来そうな場所で待つ
カワセミ・ヤマセミなどの縄張りをもつ鳥に有効な方法です。
鳥よりも早く撮影場所に来てブラインドを設置し、その中から撮影すると近距離から撮影できます。
ブラインドを使わなくてもヤブの中に隠れて待っていると、意外と近くから撮影させてくれますよ。まあ、近くといっても限度がありますけどね。
その場合は、しゃがみ込むなどして鳥からなるべく小さく見えるようにするのも鳥を警戒させないコツです。急な動きや物音を立てるのも厳禁ですね。
たとえば、立ち姿勢からしゃがみ込んだり、その逆パータンでも野鳥は警戒して飛び去られること多いです。
鳥に対しての指差し、たとえば、野鳥撮影仲間に「あそこに鳥がいますよ」的に指で指す行動も鳥に警戒されて、飛び去られることが多々ありますね。
要は鳥を極力驚かせない配慮が必要になります。
他に、野鳥の子育て時期は営巣場所の近くで待つ人もいますが、これは野鳥が極度に嫌がりますので避けた方が賢明です。
僕は営巣場所が遊歩道沿いにある場合にはその道を通過することはありますが、そこでの鳥待ちはしないようにしています。
営巣場所以外にも鳥のねぐら前で待ち伏せるのも鳥から嫌われると思います。
基本、野鳥の嫌がることをすることに人間の方が慣れてしまうと、そういう行動に対して感覚が鈍って、結果的に他のシチュエーションでも決して近くからは撮影させてもらえなくなるので注意が必要だったりします。
野鳥の移動方向を予測して先回りして待つ
シマエナガ、シジュウカラなどのカラ類の仲間に有効です。この類の鳥さんは群れで行動していることが多いので、群れ全体の流れから進行方向を予測して、そこへ先回りして待つようなイメージです。
群れの中で鳥を追い回すと、さすがに警戒されて益々近くで撮影させてもらえなくなるので、鳥が来そうな場所を予測して先回りして鳥の方から撮影者の近くに来るようにするといった感じです。
もちろん読みを外すこともありますが、群れの中で鳥を追いかけ回すよりは経験上、打率は高いです。
そして先回りするときは、太陽位置や構図がベストになるような場所を狙って移動することも意外と大事だったります。
たとえば、以前にお話したような「順光」で、「背景がスッキリ」するような構図で撮影できる場所です。最初はそういう場所を自然の中で探すのは難しいかもしれませんが、慣れてくると「あそこなら良い構図で撮れそうだ!」みたいな感じで直感的に分かるようになります。
いくら近くから撮影できても、背景や構図が悪いとすべてが台無しになりますので、野鳥の移動方向を予測して先回りするときも、なるべく良いポジションに陣取れるように心がけてみて下さいね。
野鳥に気づかれないような超スロースピードで接近する
枝にとまっている野鳥を発見した時には、直接接近を試みる方法の一つとして、スーパースロースピードで接近するというのがあります。
これは文字通り非常にゆっくりと半歩ずつ野鳥へと接近していきます。鳥に気づかれないようなスピードでたっぷり移動に時間をかける感じです。
なお、この時に直線的に野鳥に近づくのではなく、蛇行しながらの方が経験上成功確率が上がるような気がします。
この方法であれば、人が身を隠せるものが無く、野鳥から丸見え状態でも15mくらいの距離までは比較的コンスタントに接近が成功しています。
もちろん、野鳥の種類や野鳥の気分次第で結果が違ってきますが、野鳥の種類的には、今までこの方法で成功したのは、ヤマゲラ、オオアカゲラ、ウソ、シメ、シーズン終盤のツグミなどです。なお、シジュウカラなどのカラ類の混群やシマエナガは常に移動しているので、この方法は使えません。
野鳥に接近するときのマナー的な注意点としては、先に撮影している人がいる場合にはその人の前に決して出ないようにして下さい。万が一、鳥を飛ばしてしまうと大顰蹙を買うことになります。鳥だけでなく、人間からも嫌がれないように注意が必要ということです。
僕は鳥に接近する時は撮影者が僕一人の場合のみで、他に撮影者がいる場合には接近は諦めています。撮影すら諦めることも少なくありません。何が面倒といっても、やはり対人トラブルが一番面倒ですからね。
死角からゆっくり接近する
もう一つの接近の方法としては、超スロースピードで接近するのは大前提として、鳥から死角になるような角度で接近する方法があります。
具体的には人間が隠れることができるような立木などに隠れながら接近する方法です。
人の体が完全に隠れなくても、野鳥と人間の間に何か障害物があると野鳥の警戒心も少し緩む印象ですね。
もちろん極度に警戒心の強い鳥には通用しないのでご注意下さい。
僕は具体的には、シーズン中盤のツグミの撮影にこの方法を使っていました。群れではなくて単独でいる場合にのみ有効な感じでしたね。
しつこく通って野鳥の警戒心を緩ませる
例えば、ツグミなどの冬鳥は渡ってきた直後は警戒心が強く、近くからはなかなか撮らせてくれませんが、シーズン終盤にもなるとかなりの至近距離から撮らせてくれることもあります。この場合の接近も鳥を驚かせないようにするのがコツです。
僕の場合だと同じ公園に毎日のように通っていますので、シーズン中盤ともなると公園に居着いているツグミも「またコイツか」みたいな感じで警戒心が緩んきて、機嫌が良い時には驚くほど近くから撮影させてくれます。
もちろん、近くといっても限度がありますので、会社の上司の顔色を伺うかのごとく、野鳥のご機嫌を伺いならがら嫌がられない距離までゆっくりと、障害物に隠れながら近づくのがコツです。
この場合も先行者がいる場合は迷惑になることもあるので、接近は諦めた方が賢明です。
まとめ
最後にまとめると、
野鳥にストレスを与えずに近くから撮影するコツは難易度の低い順に次の5つになります。
1.野鳥が来そうな場所で待つ
2.野鳥の移動方向を予測して先回りして待つ
3.野鳥に気づかれないような超スロースピードで接近する
4.死角からゆっくり接近する
5.しつこく通って野鳥の警戒心を緩ませる
そして、注意点としては、野鳥に接近する場合には
1.野鳥に嫌がられないように配慮する
2.先行者の迷惑にならないように配慮する(場合によっては撮影を諦める)
ことも頭に入れておくことが大事です。
以上、参考になれば幸いです。
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