色彩を言葉で表現すること(諏訪順子歌集『蒼穹を見よ』栞文)
先にこの歌集のタイトルをうかがったときには、「蒼」の一文字から、青空のように澄んだ心境へのあこがれがストレートにうたわれているのかと想像した。内容を読むとはたして、具体的には東京スカイツリー竣工前後の日々、その近隣・浅草での暮らしにまつわるさまざまな思いが複雑に溶けこんだタイトルであった。
ただ、巻頭から順にながめるかぎり、まず意識されるのは赤い色のイメージである。それから黄、青のイメージがつづく。絵画などでいうところの三原色が出そろった。
前歌集のタイトルは『ジョルジ