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アジア民族の食卓誌

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発酵、保存食のフィールドノート
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#つくるのはたのしい

練り胡麻ペーストとおやつづくり

胡麻しゃぶや胡麻豆腐など、昔から和食に使われてきた胡麻は、アフリカやインドが原産の植物ですが、世界中に広く分布しています。ごま油としても使われるだけあって、含油率が50%にのぼり、セサミンやセサミノールやビタミンEなどの栄養が含まれています。ゴマは外皮が硬いので、粒のまま体内に入っても消化されることなく、すりつぶした方が吸収しやすいそう。 ポン酢と合わせて豚しゃぶにしたり、中華のソースに合わせても合うし、世界中に分布している植物なだけあって、世界のいろんな料理に合いますね。

植物と灰汁作りの知恵を探求する〜おばあちゃんのベロメーターをめざして〜

強い灰汁と、弱い灰汁80代以上のおばあちゃんたちに知恵の聞き書きをしていると、必ず出てくるのが灰汁のお話。染色のみならず、発酵食品の仕込みや、こんにゃくの凝固剤にも使われてきた灰がいかに生活の中で活かされ、重要な役割を担っていたのかに気づきます。 野生の麹菌を採集するとき、こんにゃくを固めるとき、藍のスクモを作る時にも灰汁を入れます。籾殻やクヌギ、樫の木、椿、藁。地域の気候や環境(たとえば、林業が主な地域では樫、蕎麦が美味しい地域は、そば殻など)によっても違います。昔は「は

夏が本場の発酵食「豆豉」づくり

以前、ブログで、台湾で保存食のことが学べる農家民宿について記事を書きました。ステイ先のお母さんに発酵食を学びたいというと、「夏にまたおいで」、と言われました。台湾では発酵は夏がシーズンなのだそうです。 日本だと、豆麹は冬に仕込むものなので、「夏に豆麹なんか作って大丈夫?」と聞くと逆にびっくりされました。「何をいってるんだ?冬だったら発酵しないじゃないか?!」と。 以前農家ステイをしていた宜蘭の冬山郷はお茶で有名な村ですが、お茶の閑散期に加工品づくりをしている農家さんが多く

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