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旅する美しい蝶

秋晴れが続く気持ちの良い陽気のこの頃、
お隣さんが、「今年も来たみたいだよ。あのチョウチョ。」
っと教えてくれた。

田んぼの畦沿いにご近所さんが植えたフジバカマ畑がある。

何年か前からこの時期になるとヒラヒラとそのチョウは現れる。

 旅するちょう、アサギマダラ。

ペールブルーの浅黄色に少し茶を帯びた黒色、大柄の蝶はヒラヒラと実に可憐に飛ぶ。アサギマダラは「旅する蝶、Migrating Butterfly」と呼ばれ、1000km〜2000kmもの長距離を移動する蝶もいる。日本で羽根に印をつけたアサギマダラが、海を渡り台湾や香港で発見された記録があるそうだ。彼らは気温に実に敏感で、常に暖かい適温を求めて飛んでいるそうだ。その生態も興味深く、幼虫の時から毒を持つ草を食べることで体に毒を持つ。上の写真は、ご近所さんのフジバカマの蜜を吸うアサギマダラ。フジバカマの花にはピタジリン・アルカロイドという毒があり、アサギマダラは毒性のフジバカマを吸蜜することで体を毒化し鳥などの捕食から逃れながら旅をする。
なんとも摩訶不思議、心惹かれる、美しい旅する蝶。

私の住む静岡県中部はあくまで旅の中間点で、暖地を求めての旅はまだまだ続くのだろう。美しい旅する蝶はこの時期にしか出会えない。
どうかどうか暖かいゴール地点まで無事に辿り着けますようにと、願いながら秋晴れの空の下、浅黄色の蝶を見ている。

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