回想動詞について3 文章編 -admitとconfess
「私はウソをついたことを認めます」
この日本語は英語ではどのように言うのでしょうか。以下から選んで見て下さい。
1) I admit telling a lie.
2) I admit having told a lie.
3) I admit to telling a lie.
4) I admit to having told a lie.
今回は、admit「認める」とconfess「白状する」を扱います。admitとconfessは回想動詞として機能します。つまり、目的語は自動的に述語動詞よりも過去を表し、「過去に~したことを認める[白状する]」という意味になることができます。だから、admit Vingという形があれば、「過去にVしたことを認める」となるのです(この事情はconfess Vingも同じです)。
とはいっても、述語動詞よりも過去を表すので、つまり「~したことを認める」と言いたいのならば、admit having Vppと言ってもOKなのです(confess having Vppにしても同じです)。
「過去に~したことを認める」と言いたいのならば、admit Vingとしてもいいし、admit having Vppとしてもいいのです。(詳細は私の回想動詞に関するブログをお読みください)
さらに、admitとconfessは前置詞toを伴うこともできます。admitで確認しましょう。以下の4つの言いまわしは、いずれも「過去にVしたことを認める」という意味で使用できるのです。
admit Ving
admit having Vpp
admit to Ving
admit to having Vpp
ここで冒頭の問題に戻りますと、この4つの文はいずれもが正しいことになるのです。
では、なぜ前置詞のtoを伴うのでしょうか。いろんな解釈が可能だと思います。私は次のように考えます。toには「合わせる」といった意味があります。A to Bという形があった場合には、「AはBに合わせる」といったイメージがあるのです。
He put his ear to the wall.「壁に耳を合わせた」
I adapted my way of life to the new circumstances.「自分の生活様式を新しい環境に合わせた」
など、です。さらに、「AはBに合わせる」のですから、「AはBに従う」あるいは「AはBに屈する」といったイメージにもつながってくるのです。
The doctor subjected me to many tests.「医者は私に多くの検査を受けさせた」
I submitted to a blood test.「私は血液検査を受けた」
They submitted to authority.「彼らは権威に服従した」
これらの例文では、私は医療検査に従っており、また彼らは権威に屈しています。このような事情から、A admit to Bといった形も、「AはBに屈する」といったイメージで理解できそうです。つまり、I admit to having told a lie.という文があれば、「私は本当は認めたくはなかったが、自分がウソをついたという事実に屈するしかなかったのだ」といった意味合いで理解できそうです。そしてこのことはconfessも同じなのです。
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