回想動詞について 2 文章編        -admit, confess, deny

次の例文は、どのような意味でしょうか。

I admit being in the wrong.
a)間違っていたことを認める。
b)間違っていることを認める。

先日、回想動詞について書きましたが、admit, confess, denyについてはちょっと厄介な事情があります。remember, forget, regretなどは、目的語に動名詞をとれば、その目的語は過去の出来事を意味します。なるほど、それぞれ訳してみれば、そういうイメージがあります。

remember Ving「Vしたことを思い出す/覚えている」
forget Ving「Vしたことを忘れる」
regret Ving「Vしたことを後悔する」

だから、regret telling a lieとすれば、「過去にウソをついたことを後悔する」となって、「現在ウソをついていることを後悔する」とはなりません。後悔は常に過去の出来事を対象とするからです。

しかし、admit, confess, denyなどは、意味的にも必ずしも過去のイメージを伴いません。admit~は「~を認める」と訳されますが、過去にしたことを認めるとしても、現在していることを認めるとしても、どちらも不自然ではありません。つまり、admitには必ずしも過去の意味はないのです。このことは、confessやdenyにも当てはまります。熟語的に言えば、以下のようになるのです。

admit Ving
「(過去に)Vしたことを認める」「(現在)Vしていることを認める」
confess Ving
「(過去に)Vしたことを白状する」「(現在)Vしていることを白状する」
deny Ving
「(過去に)Vしたことを認めない」「(現在)Vしていることを認めない」

Vingが過去の出来事なのか、それとも現在の出来事なのかは、文脈で判断されるのです。だから、冒頭の例文はどちらの解釈も可能なのです。

I admit being in the wrong.
a)間違っていたことを認める。
b)間違っていることを認める。

もちろん、目的語にhaving Vppを伴えば、必ず述語動詞よりも過去を表します。

I admit having been in the wrong.
間違っていたことを認める。

ちょっと厄介な回想動詞でした!

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