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富士山生活~高山病との闘い編~

富士山八合目、標高3300mで働いているさとうです。
前回の記事の評判が良くてうれしいです!この記事を読む前にぜひチェックしてみてください。

僕の働く山小屋には忘れ物が多い。毎日40-80人ほどお客さんが来るのだが、忘れ物がほぼ毎日ある。
先輩は「みんな高山病でボーっとしてるんだよ」などと言っていたが、本当にそうかもしれない。
富士山に来て2週間ほど経つ今は酸素の薄さにも慣れたが、最初は大変だった。

7月の27日の早朝に須走の宿を出発し、山小屋に荷物を運ぶ元ヤンっぽいお兄さんのトラックに乗って5合目まで行った。
運転手のYさんは気さくな人で、
「京大で、インド料理で、ドMか!変わってんなあ!」
と言われた。僕が初対面で性癖の話をしたわけではなく、自転車で琵琶湖2周したり乗鞍まで300㎞走ったりしたことを話したらドMと認定されてしまった。解せぬ。

5合目からはブルドーザーだ。
須走ルートの山小屋に飲み物や食べ物、燃料などをブルドーザーで運ぶ。トラックからブルドーザーに乗り換え、後部座席に座って2時間ゆられた。当然、未舗装路で斜度も凄い。爆音でエンジンがうなりをあげて、Yさんは上機嫌でアイコスを吸って運転していた。

まだ木が生えている

ひたすら登って、周りから木が無くなり、草が無くなり、軽石だらけの荒涼とした場所で降ろされた。雲は遥か下に見える。

とんでもないところに来てしまったぞ、と思った

挨拶をし、働いているととにかく息が切れる。ハシゴを5段上るだけで息が苦しくなる。
頭も普段ほど回転しない感じがあり、速度が遅くなっている感じがあった。立っていると頭に血液がいかないのか、弱い頭痛がする。
晩御飯になったが、食欲がわかなかったので普段の半分ほどの量を食べて修了。本当にこの環境に適応できるのか不安だった。

夜もご来光を見に行くお客さんが出入りするのでざわざわしており、細切れの睡眠だった。睡眠中は呼吸が浅くなるので、朝起きたら頭痛がした。
心拍数も普段より20ぐらい高い。「居るだけで疲れる」感じだった。

しかし!体の不調ぐらいで日給のいい住み込みバイトを手放すわけにはいかないのだ。何とかして適応してやる、がんばれ俺の体!と念じながら深呼吸を繰り返した。

水を意識的に飲み、深い呼吸を心掛けたところ、3日目にはかなり高山病の症状が弱くなった。
天気も良かったので休憩時間に富士山頂に上って降りてきたら、八合目の空気が濃厚に感じた。400mの標高差でもこんなに違うのか!と驚いた。

それ以来頭痛はさっぱりと消えてなくなった。霊峰富士山には不思議なパワーがあるのかもしれない。一緒に上った同僚も胃腸の調子が急によくなっていた。

富士山火口

居るだけで体に負荷がかかる環境で早寝早起きし、コメ中心の健康的な食生活を送っているので体重は減った。肉体がガンガン成長していてうれしい。

高山病予防のためには
・良く寝る
・深く呼吸する
・水分をたくさん摂る
・ゆっくり動く(急なストップアンドゴーをしない)
というシンプルな対策しかないと思う。富士登山する人は高山病に気を付けて頑張ってね!ではまた。

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