見出し画像

よりそいホットラインのおばさんと私

「いのちの電話」に電話をするほどではないが、それでもこのまま生きていくのがあまりに苦しいと思った日が、就活時あった。深夜の2時、100回以上電話をかけて繋がったのはお兄さんだったかおじさんだったか。それが初めての寄り添いホットラインだった。次に利用したのは去年の夏。めちゃくちゃ関西弁のお兄さんが出た。

 去年の夏から一年ぶりに、寄り添いホットラインに私はまた電話をかけた。1年に一回か、二回、どうしても『本当の』他人に話を聞いてもらいたくなる。親、友達、誰にも言えないことがあった。好きな人のこと、顔のコンプレックスのこと。おばさんは、「あなたは綺麗だと思う」と笑った。「声を聞いていたらわかるよ」とまた笑った。

 誰かに話を聞いてもらうこと、心の一部を吐き出すことは、大事なんじゃないかなとつくづく思う。生きていて、自分のみが一方的に話をする機会って実はあんまりない。コミュニケーションじゃないだろうそれ。ただ思いを吐き出したい、聞いてほしい、そんな時、だらだらと思っていたことを喋ると、すっと楽になる。言葉にすると、答えを求めているふりをして本当は答えなんて初めから決まっていたことがわかる。 


 繋がらない、話を聞いてもらうだけじゃ解決しないという声もあるが、私はやっぱり寄り添いホットラインに定期的に助けられている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?