マガジンのカバー画像

つまり、佐藤の本棚。

127
今まで読んできた本にまつわる「記憶」の記録です。
運営しているクリエイター

#芥川龍之介

再生

芥川龍之介「芋粥」を解説【はじめての文学入門】

「人間は、時として、充されるか充されないか、わからない欲望の為に、一生を捧げてしまふ。その愚を哂ふ者は、畢竟、人生に対する路傍の人に過ぎない。(芋粥より)」 芥川龍之介「芋粥」を「あらすじ」から、登場人物の心理考察まで、読み解いていく時のポイントを、初心者の人にもわかりやすく解説します。

再生

【文学入門】芥川龍之介「鼻」のあらすじ解説

鼻(芥川龍之介)の「あらすじ」を解説する動画を作成しました。「コンプレックス」「2つの矛盾した感情」など、今読み返してみても様々な発見と考察が可能な名作です。 ・解説:佐藤 Twitter https://twitter.com/sa_ttaka ・芥川龍之介の「鼻」は青空文庫さんで読むことができます。 https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/card42.html

【読書日記 九十三冊目】 春の夜 芥川龍之介

こんにちは、コピーライターの佐藤(さったか)です。100冊を目指して更新を続けてきたこのブログも、今回で93冊目、のこり7冊です。ラッキーセブンです。だからどう、というわけではないのですが、今回も淡々と更新したいと思います。 みなさんは「自分にそっくりの人」がいたら、会ってみたいと思いますか? 見た目だけでなく、年齢も仕事も趣味も住んでいる環境も。私の場合は・・・。 春の夜 芥川龍之介会社勤めをしていた時の話。私はいつものように駐車場に車を停めて会社へ向かっていた。エレベ

読書の記憶(七十九冊目) 「杜子春 芥川龍之介」

こんにちは。広告文案家の佐藤(さったか。)です。みなさん「願掛け」って聞いたことありますか? 英語では「Supplicate」と表現するそうです。いや、別に英語で表記することに深い意味はないのですが、ふと気になって調べてみたのでした。 さて、私が今まで読んできた本を並べる「佐藤の本棚」も79冊目。今回は「杜子春 芥川龍之介」を読んでいて思い出した「願掛け(断ち物)」を実行した時のことを書いてみました。 七十九冊目「杜子春 芥川龍之介」20代後半だったと思う。その頃「達成し

読書の記憶 六十四冊「鑑定 芥川龍之介」

僕は、待ち合わせをする時は大体15分前には、目的地周辺に到着するようにしている。周辺をぶらぶらと散歩しつつ、時間になったら待ち合わせの場所に向かうことが多い。几帳面と言うよりは、時間ギリギリに出発して渋滞などに巻き込まれたりして「間に合うか? 大丈夫か?」などと気にして焦るのが嫌なので、それなら少し早めに行ってゆっくり行動した方がいい、と思っているからだ。 しかし、一度だけ相手を1時間ほど待たせたことがある。あれは僕がまだ学生で、携帯電話もメールも存在していなかった時代のこ

読書の記憶 六十四冊「鑑定 芥川龍之介」

今から8年ほど前の話。ある会社の経営者の方(ここではA氏とする)から「会社のキャッチコピーを書いてほしい」と依頼を受けた。「近々、ホームページと会社のパンフレットを作成するので、それに合わせてキャッチコピーを新しくしたい」とのこと。 会社のキャッチコピー(コーポレートスローガン)は、数年にわたって使用されるものなので「時間を乗り越えていける言葉」を探していく必要がある。 つづきを読む(無料)読書の記憶 六十四冊「鑑定 芥川龍之介」

読書ブログ 五十九冊目「漱石山房の秋 芥川龍之介」

今年の宮城には夏がなかった。 7月の上旬こそ、ああ今年の夏も暑くなりそうだ、というような日々が一週間ほど続いたものの、そこからは夏らしい陽射しが降り注ぐ日は、ほとんどなかった。 気象台の発表によると「36日連続降雨」という記録を更新したのだそうだ。確かに、外出する時には傘を持って出かけることがほとんどだった。天気予報が「くもり」だとしても折りたたみ傘は必ず持ち歩いていたし、役立つことの方が多かった。エアコン代は節約できたけれど、洗濯物が乾かないからコインランドリーの乾燥機代

読書の記憶 五十七冊目「魔術 芥川龍之介」

自分は「マニュアル世代」と呼ばれる世代になるらしい。どちらかというと、この「マニュアル世代」という言葉は「マニュアルがなければ何もできない」と、批判的なニュアンスで使われていたような印象がある。「マニュアルのお陰で効率良く作業は進められるが、逆にマニュアルに書かれていないことには対応できない。つまり自分の頭で考えて行動することができない」といった類の批判だったように記憶している。 そういえば、小論文の練習課題として「マニュアル世代の問題点」のようなテーマで、書かされた記憶が