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つまり、佐藤の本棚。

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今まで読んできた本にまつわる「記憶」の記録です。
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2018年12月の記事一覧

古本をめぐる冒険 濱田廣介「大將の銅像」

先日、待ち合わせまでに時間があったので、古本屋に立ち寄った時の話。抱えていた荷物が多かったため、眺めるだけにしようと考えていたのですが、ふと目に飛び込んできた装丁が気になってしまい、思わず購入してしまった一冊がありました。 それが今回紹介する、濱田廣介「大將の銅像(復刻版)」です。 帰宅してから、あらためて手にとって眺めてみると、装幀及び扉は竹久夢二、口繪及び挿繪は川上四郎でした。なるほど、道理で目を引かれたわけです。 序文と目次には、朱に近い文字色が使用されています。ペ

【86冊目】 佐藤の本棚「名人伝 中島敦」

こんにちは、コピーライターの佐藤(さったか)です。ひさしぶりにバッティングセンターに行きたくなり、学生のころに時々行っていた場所を調べたところ、すでに閉鎖していました。特に野球が得意というわけではないのですが(学生時代はサッカー部)無性に打ちたくなったので、今度、少し遠出をして遊んでこようかと思います。 さて、100冊を目指して更新中の「佐藤の本棚」も86冊目。今回は、中島敦「名人伝」を読んで思い出した「バッティングセンターでの記憶」を書いてみました。 八十六冊目 「名人

古本を巡る冒険 塚原健二郎「七階の子供たち」

本棚の中から、装丁が魅力的な書籍を紹介。今回は塚原健二郎「七回の子供たち(復刻版)」です。装幀は深澤省三氏。 「昭和っぽいテイストで」というイメージにぴったりの装幀です。ちなみに、木に登ろうとしている少年は東京の子。それを下で支えている二人は、地元の田舎の子という設定です。服装の違いも面白いですね。 あとがきの中で、作者の塚原健二郎氏は、 私には童話の本が出るたびに、此世の中に寶が一つづづふえて行くやうな、子供つぽい氣持が多分にある。装幀とか、挿繪とか、新しい本特有の手