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つまり、佐藤の本棚。

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今まで読んできた本にまつわる「記憶」の記録です。
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2018年9月の記事一覧

古本をめぐる冒険 宮沢賢治「風の又三郎」

本棚の中から、装丁が魅力的な書籍を紹介。今回は「宮沢賢治 風の又三郎」の復刻版です。装丁と挿絵を手がけたのは、小穴隆一氏。 函つきの豪華な装丁です。「柿色」と「朱色」の中間といえばよいのでしょうか。昭和という時代をそのまま取り込んだかのような、繊細で力強い色合いです。 裏側。表紙では白馬だけでしたが、こちらでは二頭の馬が「顔をならべて」駆けています。姿勢や脚の位置などから疾走感が伝わってきますね。 背と挿絵。佐太郎が妹かよの鉛筆をふところの中に入れ、机の上にうつぶせにな

読書の記憶(八十二冊目) 横光利一「頭ならびに腹」

こんにちは。コピーライターの佐藤(さったか。)です。今年は猛暑でした。夜も暑かったので「下手に走って体調を崩してはいけない」と、ジョギングを二ヶ月ほど休んだところ、体重が一ヶ月で一キロずつ増加。合計で二キロ増えました。九月になって、だいぶ涼しくなってきたので、一ヶ月で二キロ減を目指しジョギングを再開したいと思います。 さて、今まで読んできた本を並べていく「佐藤の本棚」も82冊目。目標の100冊までのこり18冊。今回は「横光利一 頭ならびに腹」を読んで考えたことを、書いてみま

古本をめぐる冒険 宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」

本棚の中から、装丁が魅力的な書籍を紹介。今回は「宮沢賢治 グスコードブリの伝記」の復刻版です。装丁と挿絵を手がけたのは、画家の横井弘三氏。 あとがきに、横井弘三氏の文章が収録されている。その中には、横井氏が汽車で上野から12時間かけて花巻まで取材に行ったこと。現地では盛んに取材をし、語り合い、スケッチをしたこと。帰ってから昼も夜も描き続けたことが記されている。そして、 「わけても、「グスコー・ブドリ」と「北守将軍」と「雁の童子」の原色畫には、力のあらん限りを尽くしまし