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株式投資で勝ちたいすべての人へ!バリュー投資で勝つためのマインドセット
※このnoteは有料設定されていますが、メインの内容はすべて無料で読めます。
こんにちは、上原です。当note「バリュー投資 実践講座」では、バリュー投資のスキルを高めるための情報を発信しています。
第1回と第2回のnoteでは「リスクを最小限に抑えて株式投資というプラスサムのゲームに参加する方法」について解説してきました。
これまでは株式投資の基礎的な内容が多かったですが、今日からはバリュー投資のノウハウを具体的に話していこうと思います。
第3回となる今回のnoteでは「バリュー投資の本質」と「バリュー投資で勝つためのマインドセット」について解説します。
バリュー投資の本質
バリュー投資というと「PBRやPERが低い企業に投資すること」と思い浮かべる人が多いと思いますが、これは半分正解で半分は不正解です。
特に「PBR1倍以下の企業は割安」というのは間違っているので、これを言っている投資本とか投資の講師は基本的に信じちゃだめです。僕が株式投資の本を選ぶとき、「PBR=1倍」を基準にしている本は絶対に買いません。
PERやPBRは株価の割安度を測る指標です。計算式は以下の通りですが、詳しくは別のnoteで解説する予定です。
・PER=時価総額÷純利益、PBR=時価総額÷自己資本
バリュー投資の本質は「本質的価値よりも株価が割安な企業に投資をすること」です。低PBRや低PERは結果として本質的価値よりも株価が安い企業がそうなっているだけで、バリュー投資の本質ではありません。
ちなみに、バリュー投資の理論はバフェットの師匠でもあるベンジャミン・グレアムが50年以上前に確立しました。これまでにたくさんのバリュー投資本が発売されていますが、すべてはグレアム氏の著書である「証券分析」と「賢明なる投資家」が基礎となっています。
勝てるバリュー投資家になるためのマインドセット
続いて、バリュー投資家として勝つためのマインドセットを紹介します。マインドセットを軽視する人が多いんですが、これからお話しするのはバリュー投資家としてとても重要なことです。
これから解説するマインドセットがないと、いくらノウハウがあってもおそらくバリュー投資家として勝つことはできません。
それぐらい大事なことですので、以下のマインドセットはできれば何回も読んでください。
①バリュー投資家として強い信念を持つ
バリュー投資のプロセスは以下の通りとてもシンプルです。
バリュー投資のプロセス
企業を分析し、企業の本質的価値を算出します。そして株価が本質的価値よりも十分安くなった時に株を買います。企業が再評価されて株価が本質的価値以上まで上がったら、売却して利益を確定します。
以上でバリュー投資のプロセスは終了です。ウォーレン・バフェットの「1ドルのものを40セントで買う哲学」という名言がバリュー投資の本質をよく表していると思います。
バリュー投資の理論はとてもシンプルであり、バリュー投資家が勝ちやすいことも歴史が証明しています。ただ頭でそれが分かっていても、バリュー投資を長期で実践するのは実はとてもハードルが高いです。
まず、バリュー投資が報われる(株価が本質的価値に近づく)には時間がかかるので、長期で含み損に苦しむこともあります。他の人のパフォーマンスが絶好調な中でも、自分のやり方を貫き通す強い信念が必要です。
また、バリュー投資家には他の人とは違うことをする逆張り的な発想が必要です。人間は基本的に群衆と同じ行動をとると安心し、他の人と違う行動を取ると不安になります。なので、コンセンサスに反した逆張り的な発想で投資をするのは、とても勇気がいることであり実行のハードルが高いです。
バリュー投資の手法を身につけただけでは、バリュー投資家として勝つことはできません。
パフォーマンスが苦しい時でもバリュー投資は勝てる手法なんだと信じ、長期でバリュー投資をやり通す強い信念が必要です。そして、他の人とは違う投資行動を取る勇気も必要です。これが勝てるバリュー投資家になるための1つ目のマインドセットです。
②本質的価値を追求する
すべてのバリュー投資は本質的価値の追求から始まります。
著名な12人のバリュー投資家にインタビューをした「価値の探求者たち」という本があるんですが(英語のタイトルは「The Value Investors」、Ronald W.Chan著)、この邦訳はバリュー投資の本質を良く表していると思います。
バリュー投資家が株を売るか買うか判断するときの基準は、その企業の本質的価値です。株価が本質的価値よりも十分に割安であれば買い、評価が是正されて株価が本質的価値に近づいたら利益を確定します。
成長率も利益率も高い優良企業を買うのではなく、バリュー投資家が買うのはあくまでも「本来あるべき価値よりも安い価格で売られている企業」です。もちろん、優良企業の株価が本質的価値よりも安くなっているのであれば、それは絶好の投資機会になります。
バリュー投資家は、投資する「モノの価値」を常に考え続けます。そういう意味でバリュー投資家は「価値の探求者」であり、企業の本質的価値を見極めることができた投資家が最終的な勝者になれます。
企業の本質的価値は何で決まるのか?
企業の本質的価値は、企業が将来生み出すキャッシュフローの水準によって決まります。本質的価値の算出方法についてはまた別のnoteで詳しく解説しますが、投資家が企業の本質的価値を推定するには、企業のビジネスモデルや競争優位性、バランスシート、マネジメント、市場の将来見通しなど、様々な分析をしなくてはいけません。
しかし現実的には、企業の本質的価値というのは神のみぞ知る世界で、それを正確に把握できる人はこの世にいません。それでも「株価は長期的に本質的価値に近づく」という強い信念を持って投資をするのが、真のバリュー投資家です。
私たちバリュー投資家は、株式市場は短期的には非効率(短期的なポジティブ・ネガティブなニュースに市場が過剰反応する)と理解している一方で、長期では効率的(株価が企業の本質的価値に近づいてく)と信じて投資をしています。
③十分な安全域がある企業に投資する
続いては安全域のお話です。安全域については第2回のnoteでも詳しく解説しましたが、要するに「本質的価値よりも十分に割安な価格で買いましょう」ということです。
本質的価値よりも例えば3-4割安い株価で買えれば、たとえ自分の予想が間違っていたとしても、大きく損することはありません。なぜならば株価には悪材料が十分に織り込まれているからです。
保守的に予想した将来キャッシュフローから企業の本質的価値を算出し、それでも十分に割安だと思えるような企業を探しましょう。
④逆張り投資家になる
優良企業は市場から高い評価を受けているので、なかなかバリュー投資家が買えるほど割安な株価になりません。そして、他の人と同じ銘柄を買っても大きなリターンを得ることはできません。よくて市場平均並みのリターンです。
大きなリターンを得る秘訣は、他の人が買っていない、不人気な銘柄を買うことです。バリュー投資の対象となる企業は、何かしらの問題を抱えて株価が安くなっていることが多いです。
著名なバリュー投資家であるジョン・テンプルトン氏の投資理念をいくつか紹介します。
「他の投資家と同じ投資行動を取っている限り、彼らよりも高い収益を得ることはできません。他の投資家が落胆して売っている時に買い、熱狂して買っている時に売ることを辛抱強く実行できれば、その見返りは多大なものになるでしょう。」
「長期投資で成功する秘訣は、自分が保有する銘柄が人気を集めた時に、市場で注目されていない銘柄に乗り換えることです。」
「強気相場は悲観のもとで生まれ、疑いの中で育ち、楽観の中で成熟し、熱狂とともに終わります。したがって、最も悲観的なときが買い時であり、最も楽観的なときが売り時です。」
「株式市場において “バーゲン(掘り出し物)” を手に入れる唯一の方法は、ほとんどの投資家が売っている銘柄を買うことです。」
テンプルトン氏の10の投資理念のうち4つを紹介しましたが、10個中4個の投資理念で「逆張りの発想」について言及しています。
テンプルトン氏は経済誌Forbesから「歴史上、最も成功したマネーマネージャーの一人」として紹介されるほど優秀なファンドマネージャーです。その彼が、これだけ逆張り投資の重要性を強調しているんです。
アクティブ投信が勝てない理由は逆張り投資ができないから
アクティブ投信はベンチマークに負けやすいという話は良く出ますが、その理由の1つはプロのファンドマネージャーは逆張り投資をやりにくいからだと思います。
ファンドマネージャーといっても、結局はサラリーマンです。上司やお客さんから良いパフォーマンスを出すように常にプレッシャーを受けています。そんなプレッシャーの中、他の人とは違う投資行動を取るのってすごい勇気がいるんです。
それで最終的に勝てれば報われますが、逆張り投資で負けでもしたら、「なんでみんな勝てている市場でおまえだけ負けているんだ」という厳しい叱責を受けることになります。ファンドマネージャーは成績が明確に数字で表れるので、外資の運用会社だったら普通にクビになります。日系でもクビもしくは部署異動です。
逆に、みんなと同じ投資をする順張り投資はとても気持ちが楽です。仮にそれで負けたとしても、「他の人もみんな負けてるんだからしょうがない」という言い訳ができます。
しかし、逆張り的なアプローチが勝ちやすいことはすでに様々な研究で実証されています。詳しくはおまけの有料部分で説明していますが、逆張りのアプローチが勝ちやすいことは心理学や行動経済学の観点からも合理的に説明できます。
バリュエーションが高くなっている人気銘柄を避けて、何かしら問題を抱えている割安な銘柄に逆張りの姿勢で投資をする。これはバリュー投資を実践する心理的なハードルでもあり、バリュー投資で長期で高いパフォーマンスを出すための秘訣でもあります。
⑤2つの忍耐力を持つ
バリュー投資で勝つためのマインドセット最後の1つは「忍耐力」です。ここでの忍耐力には2つの意味があります。それは「買わない忍耐力」と「含み損に耐える忍耐力」です。
まずは「買わない忍耐力」から解説します。次回以降のnoteで紹介するバリュー投資のスクリーニングをすると、割安に見える会社がたくさん出てきます。すぐに飛びついて買いたくなってしまいそうですが、割安な会社には何かしらの問題があります。
バリュー投資の勝率を上げるために、割安な会社にすぐに飛びつくのではなく、まずはなぜ割安になっているのか、その会社が抱えている問題点をしっかりと調べましょう。そしてその後の株価や決算、ニュースフローを経過観察し、「これで悪材料は出尽くしたな」と思えるギリギリのタイミングまで引きつけてから買いに入ります。
どうしてもすぐに買いたいと思った場合は、まずは少しずつ買っていくことをおすすめします。株価がさらに下がった時に追加で買うための余力を残しておくんです。
買いたい割安な銘柄を見つけても、すぐには買わない忍耐力を持つことが大事です。あなたがその会社を見つけたタイミングと、株価が底を打つタイミングが一致する確率は非常に低いです。すぐに飛びつくのではなく、なぜ割安になっているのか理由を調べて、その後のニュースと株価をチェックしてできるだけ良いタイミングでエントリーをしましょう。
エントリーをする時も最初からフルでポジションを作るのではなく、少しずつポジションを作ります。最初にエントリーしてから株価が下がっても、平均取得価格を下げるチャンスだと思えるぐらい気持ちに余裕を持ってポジションを構築していきましょう。
そして2つ目が「含み損に耐える忍耐力」です。
バリュー投資家は本質的価値よりも十分に安い価格で取引されている株を買うのが基本ですが、株価が本質的価値に近づいていくタイミングを当てるのは非常に難しいです。それは明日かもしれませんし、1年後かもしれません。
また、バリュー投資かは逆張り投資家でもあるので、買った瞬間から含み損になり、その後も株価がずるずる下がっていくことはよくあります。
株価は長期では本質的価値に近づいていくと信じていても、長い間含み損を抱えていると自分の投資アイデアにだんだんと自信がなくなっていきます。しかし自分のアイデアの根拠が崩れていない限りは、含み損であってもそれに耐える、あるいはさらに買い増すぐらいの強い気持ちを持たないといけません。
そのためにも、繰り返しになりますがいきなりフルでポジションを作らずに、下がった時に買い増す余力を残して少しずつポジションを作っていくことが大事なんです。
①割安に見える銘柄を見つけてもすぐには飛びつかず、悪材料が出尽くしになるタイミングまで買うのを我慢する忍耐力
②自分の投資アイデアの根拠が崩れない限り、たとえ長い間含み損であってもそれを耐え抜く(あるいは買い増していく)忍耐力
この2つの忍耐力がバリュー投資家にとっては必要な素質だと思います。
まとめ
以上、バリュー投資で勝つために必要なマインドセットを5つ紹介してきました。
①バリュー投資家として強い信念を持つ
②本質的価値を追求する
③十分な安全域がある企業に投資する
④逆張り投資家になる
⑤2つの忍耐力を持つ
マインドセットは軽視されがちですが、バリュー投資のやり方を知っていてもこのマインドセットがないと勝ち残ることは難しいと思っています。
それぐらい大事なことですので、投資をする時はこれらのマインドセットがちゃんと守られているかを日々確認しましょう。
以上が「勝てるバリュー投資家になるためのマインドセット」のすべてとなります。
ここから先は購入者のみが読める有料ゾーンになっていますが、ここから先はあくまでもおまけです。
過去のnoteでも複数の方からサポートを頂いたのですが、サポートしてくれた人に何もお礼できないのは心苦しいので、お礼の気持ちで以下の有料ゾーンのノウハウを書いています。
ですので、「この記事が役に立ったよ!」「投げ銭してもいいよ!」という方だけご購入下さい。
有料ゾーンでは、「逆張り投資についてもう少し深掘りした解説」を書いています。
①なぜ逆張り投資は勝ちやすいのか?
②逆張り投資と順張り投資のパフォーマンス格差を検証
③逆張り投資のエントリータイミング
④逆張り投資家のパフォーマンスが輝くとき
逆張り投資が勝ちやすいのには合理的な理由があります。その理由を解説するとともに、実際に逆張り投資を行った場合にどんなパフォーマンスになるのかを検証してみました。
また、逆張り投資のエントリータイミングや実際に投資をするときに気をつけるべきことについても書いています。
投げ銭をして頂いた方へのお礼のつもりで書き始めたんですが、気づいたら有料パートも4000字を超えていました笑
どちらがメインパートかよく分からなくなってしまいましたが、500円投げ銭したことを後悔しないレベルの内容にはなってると思います。
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