曲の練習法の一例

(旧サイトの「オンラインレッスン」のコラム記事のアーカイブです。2017-07-15の記事です。)

ここでは、個人的に私がとっている、曲の練習法をご紹介します。
あくまで個人的な方法の一例として、ご参考まで。

私の方法は、以下のプロセスを踏むものです。
1.楽譜を読む
2.スコアを読む
3.息と指だけで楽器で練習
4.音のイメージをつけて、息と指だけで楽器で練習
5.実際に吹く

それでは一つずつ少し詳しく。

1.楽譜を読む

まずは自分のパート譜を読みます。全ての始まりと言えると思います。楽譜をちゃんと読んでいない段階で音を出す事は、頭の中があやふやなまま音を探りながら吹くことになり、変な吹き方を自分にさせる事になるので、しないようにします。

ハーデンベルガーはマスタークラス(DVDにも収録されている)で言いました。「全てのインターバルを歌えなければならない。」
頭の中で音程があやふやなままでは、音のセンターで良い状態で吹いていく事は期待できません。探りながらセンターからズレたところでとりあえず音にするか、音が外れるか、という感じになってしまうでしょうから、まずは頭の中ではっきりと楽譜が音のイメージに変換されている状態になるまで、楽譜を読み込みます。

もちろん、読み取りイメージに変換すべきは音程の面だけではありません。音色、アーティキュレーション、音の形、フレーズ、重み、強弱、などなど、全ての要素について、できる限り音のイメージを明確にしていきます。

2.スコアを読む

実際のところ、自分のパート譜だけでは自分のパート譜は理解できません(笑)。
ソロ曲であればピアノ譜、それ以外であればスコアを読んで初めて、自分の音の意味がわかり、どのように吹いたらよいか理解できることになります。

3.息と指だけで楽器で練習

楽器を使いますが、まだ音を出しません。笑
音は出さずに楽器に息を流しながら、楽譜通りの運指とアーティキュレーションで練習します。
息の流れが常に良い状態であることに徹しながら、曲を息と指だけで練習します。
エアギターならぬ、エアトランペットです(文字通り)。
当然ながら、良い息の流れで行っていなければこの練習の意味はあまりありません。

4.音のイメージをつけて、息と指だけで楽器で練習

3の練習とほぼ同じですが、良い息の流れに、音のイメージを乗せていきます。

5.実際に吹く

ここまでの作業がうまくできていれば、ほぼ曲は吹けるようになっていると思われます。もちろん、慣れや感覚の小さな修正や適用は必要ですから、実際に音を出しながら練習する時間はある程度必要となります。
ただし、普段の音の出し方がいはゆる「唇で吹く」バランスである奏者には、ここまでの作業の意味はあまりないかもしれません。いはゆる「息で吹く」というバランスで音を出すことに慣れている奏者であればあるほど、ここまでの作業の後、そのまますんなり音になると思われます。

ここまでの作業をした後でも吹けない場合は、基礎的な部分での問題がある事になります。つまり、音のイメージを息を介して素直に音にする、という部分での問題です。基本的にこれは曲で解決する事ではなく、基礎的な練習において解決すべきだと私は考えます。

以上、曲の練習法の一例でした。くどいですが、あくまで個人的な方法です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?