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トランぺット練習補助器具紹介

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ブリージングバッグ、スピロメーター、ブレスビルダー、ビジュアライザー(リム)の紹介と、これらの記事を管楽器練習に取り入れる際の基本コンセプトについて。
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スピロメーター

スピロメーター、またはインスピロンと呼ばれる器具(上)と、トリフロー(下)。 効果・目的身体の「外側」での空気の動きを視覚化し、身体の「外側」での空気の動きに意識を向けコントロールすることを通して、 特に、アーティキュレーションを含むフレーズでの息の流れを養うことができます。 抵抗を調節できることが、この器具の特徴です。 (本来の医療器具としての使い方の通り、息の吸い込みにも使用できますが、ここでは息の吐き出しの練習のみに焦点を当てます。) 使用方法■マウスピースなし

ブレスビルダー

目的・効果リラックスした自然な呼吸と、充分な息の「流れ」(「圧」ではない)のコントロールを養います。 身体の「外側」での空気の動きを視覚化し、身体の「外側」での空気の動きに意識を向けコントロールすることによって、 身体を固めずに制限なく自由に動けるようにすること、そして、身体の「外側」でのフリーで充分な息の流れのコントロールを習慣化します。 身体を意識的に「この部分がこう動いて…」と動かそうとすることでは達成されにくい本来の動きが、器具を利用することによって自然に生ま

ブリージング・バッグ

管楽器の呼吸の練習に用いられる、ブリージング・バッグのご紹介です。 効果・目的リラックスした大きな呼吸と、フル・ブレスの習慣を養います。 身体の「外側」での空気の動きを視覚化し、身体の「外側」での空気の動きに意識を向けコントロールすることによって、 身体を固めずに制限なく自由に動くようにすること、そして、演奏時に基本として非常に重要であるフル・ブレスの習慣を作ります。 身体を意識的に「この部分がこう動いて…」と動かそうとすることでは達成されにくい本来の動きが、器具を

なぜ器具を使った練習をするのか? ―A.ジェイコブスのコンセプトと器具使用のねらいを理解する―

ここでは、なぜ呼吸の練習を器具を用いて行うのか、その理由やその背後にある重要なコンセプトについてご紹介したいと思います。 ブレスビルダーをはじめとする呼吸練習器具は、日本でも少しずつ広まりをみせ、日本国内でも販売されるようになってきていますが、非常に残念ながら、その販売サイトの多くに書かれた使用法の説明文でさえ、必ずしもその練習の意味とコンセプトを正しく伝えていない状況にあると私は思います。 私は、ブレスビルダー、ブリジーングバッグ、スピロメーターなどの、アーノルド・

ヴィジュアライザー / リム

効果・目的多くの場合、「アンブシュアを見ることができ、形をチェックすることができる」という用途が紹介されて販売されていますが、形自体を取り作っても、おそらく実際的な改善は見られないと思います。 ヴジュアライザーは、見た目をチェックするためではなくて、唇の振動を養うために有効な器具です。 金管楽器奏者のアンブシュアは、リムと唇が接し、リムによって唇が「リムの内側」と「外側」に分離されることによってはじめて、形成され得ます。 (リムを伴わない、唇だけのバズィングが、かなり