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墓地

小高い丘にある墓地からは

町並みと木々の緑と

ひとびとの今日の暮らしが見える


先に死んでいったものたちが

そのつながりにつづくこどもたちを

いつも見守っていられるように


風が吹き季節がゆき

ひとりひとりが紡ぐ物語を

時間は彩ってゆく


どれほど小さな存在であろうと

みないのちをつくし

花と咲き鳥と謳い星をめざし

自らの永遠性を感じとってゆくのだ


丘の上の墓地にそよぐ風は

世界をめぐる風

ひとびとひとりひとりをつつむ風


この世界のつづくかぎり

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