20220117 Indocyanine green excretory defect (ICG排泄異常症)に対してEOB造影MRIを行った3症例(PMID 32458127)

Impaired lesion detectability on gadoxetic acid-enhanced MR imaging in indocyanine green excretory defect: case series of three patients

Masuoka S, Nasu K, Takahashi H, Kitao A, Sakai M, Ishiguro T, Saida T, Minami M. Impaired lesion detectability on gadoxetic acid-enhanced MR imaging in indocyanine green excretory defect: case series of three patients. Jpn J Radiol. 2020 Oct;38(10):997-1003. doi: 10.1007/s11604-020-00991-9. Epub 2020 May 27. PMID: 32458127.

Indocyanine green excretory defect (ICG排泄異常症)に対してEOB造影MRIを行った3症例に関するレポート

EOB投与15-18分後の肝細胞相画像でいずれもLSR(=Q-LSC)は1.1前後、HBPを15分後に撮像した2例では肝実質よりも血管(門脈)の信号値の方が高いが18分後に撮像したケースでは門脈の信号は肝実質よりも低い。
論文のFigureのHBP画像上では、目視可能な肝内胆管への排泄は3例とも見られない。
2㎝の早期肝細胞癌を有した例では、早期肝細胞癌と背景肝のコントラスト差が乏しくHBP画像で腫瘍の指摘は困難であった。
大腸癌肝転移に対して化学療法中のケースではイリノテカンの投与がなされていた。イリノテカンはOATPの機能に影響を及ぼすとされている(引用文献13-15)がイリノテカン投与開始3か月前のEOB造影MRI画像でも同様の所見を呈していたため、イリノテカンの影響ではなくICG排泄以上の伴う所見と考えられた。

OATP,MRP2の免疫染色では、いずれもOATP1B3, OATP1B1/1B3の発現は減少していたが、MRP2の発現低下は見られなかった。

関連情報
引用文献20;肝硬変におけるHBP画像の肝実質信号低下にはMRP2の発現亢進が関与しているという内容の文献らしい
(後日内容を確認する必要あり)




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