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「それぞれの歩んできた人生」に感動する理由|vol.215

人を感動させる仕事を
長年やってきました

イベントや音楽
舞台や演出

どれもそうです

なんとなくではありますが
意図的に人を感動させることができます

その分演出家などの裏の意図が見え
自分が感動することが少ないのも
悲しいものです

しかし今日は違いました

何に人は感動するのか?

少し見えたような気がしました

今日はそんなお話です


筆者は大分市で
ITプロモーション業をやっています
ロックスカンパニー久保田哲と言います
最後までよろしくお付き合いください



元来筋書きのないドラマ・スポーツには感動の要素がたくさんありますが今日はそこではありませんでした


世界陸上で
ヤフーニュースも盛り上がった連休でしたが

その夜中に盛り上がったのが
ゴルフの全英オープン2022最終日

キャメロン・スミスの初優勝と
最終日最終組の大スター・マキロイで
大盛り上がりを見せた4大メジャーが
今年も終わりました

優勝したキャメロンスミス


しかし終わったのは
それだけではありませんでした

今回の全英オープンの最後に
涙のラストを迎えた人が他にいたのです


青木功さんと戸張捷さん


長年全英オープンを解説してきた
解説の青木功さんと
解説の戸張捷(とばり しょう)さんが
今回を最後に中継から退くことになりました

青木氏と戸張氏


青木功さんはいうまでもなく
世界のアオキさんです

1983年のPGAハワイアンオープン

パー5の奇跡のカップインイーグルで
日本人初のPGAツアー優勝者となったシーン

私も当時テレビで見て感動の記憶があります

1983年の奇跡のハワイアンオープン優勝の青木さん


当時私は15歳

ミュージシャンになりたいと
心に決めていた頃でしたが

実は青木さんのこの一打で
ゴルファーに心を惹かれしまいそうにもなりました

当時私があと3年若かったら
確実に今頃ゴルファーだったと思います

それくらい世界を見せてくれた青木功さん




そしてゴルフキャクターの戸張捷さん

戸張捷氏

・ゴルフキャスター
・ゴルフトーナメントプロデューサー
・日本ゴルフ協会常務理事

解説といえば
ほとんどがプロゴルファーの中

戸張さんだけは昔から
「プロでもないのになんでいつも解説しているの?」
という不思議な存在でした

全英オープンだけでなく
他のメジャーや国内ツアーにも
よくご出演され解説を担当されています

プロゴルファーではないのに
ゴルフ界の重鎮

音楽でいうところの
評論家 萩原健太さんみたいな存在かと思います


テレビを通じ二人に見えたもの。。。


テレビ朝日の全英オープン中継の
顔のような存在だった青木功&戸張捷のお二人が

今回の中継を最後に
長い解説の歴史から退くことになりました


しかも最後の現場は
ゴルフの生地セントアンドリュース

世界最古のゴルフコースでの
2022全英オープン

彼らは感極まり
放送最後に感謝の言葉を連呼します


最終組の最終ホール
ローリーマキロイがグリーンに上がるシーン

ものすごい歓声が上がります

近年コロナ禍で入場規制もあった
全英オープンに

久しぶりの数万人のギャラリー

拍手と喝采の鳴り止まない中

中継レポートをしている
青木さんと戸張さんも

最後の仕事の瞬間を迎えます


今まで
テレビ越しに当たり前のように見ていた
いちファンである私にも

お二人のゴルフへの今まで思いと
聖地セントアンドリュースで
最後のレポートを迎えられたことへの感謝

そして歳をとった自分のゴルフ人生への
葛藤と無念さ・・・・



青木功さんにとってみれば
選手として優勝できなかった全英オープン

そして今までの自身のゴルフ人生への感謝


さまざまな思い出が
走馬灯のように思い巡ったことでしょう

私も中継を見ながら
優勝者のことより

青木さんと戸張さんの最後の姿に
もらい泣きをしてしまいました



感動はどうやったら人に与えられるのか?


今回の全英オープン
生中継をしたのは
テレビ朝日とAbema TVでした

テレビとネット
両方を見比べながら楽しんだ私は
ふとあることに気づきました

同じ中継なのに
なぜテレ朝の中継に感動したのか


今回中継として見入ったのはテレ朝のチャンネル

CMが多いのが気になりますが
それ以上に見てしまう理由としては
青木さんと戸張さんの存在でした


キャスターが卒業することは
ワイドショーなどでもよくある話

花束など贈呈して一言コメントし
「〇〇年間毎日ありがとうございました」
など一見感動の場面がテレビでよくあります


どちらかというと
御涙頂戴的なシーンには関心のない私です


しかしなぜ
今回は感動をしてしまったのでしょう?

青木&戸張と
ワイドショーの卒業キャスターとは
何が違ったのでしょうか?


演出家が意図的にできない種類の感動


テレビ中継後
しばらく考えました

私も「感動演出」を生業にしていた
過去もありますので
こういうことは深く考えてしまいます

「なぜ私は感動の涙を流してしまったのだろうか?」


ひとつ気づいたのは
私に彼らの人生が見えたことでした

もちろん79歳の青木さんが
一生をかけて見てきたものは
私にはわかりませんが

今回の全英オープンの放送終了時に
1番ティーの横で最後を迎えたお二人が
口にした言葉

「しばらくここにいて楽しんで帰ります」

と涙して言った青木さんの一言に

聖地セントアンドリュースの
ゴルフの神様へむけて
「いい人生だった ありがとう」
と感謝の言葉が伝わってきたからでした


つまりお二人の長い人生が
見えたような気が気がしたのです

私が感動したのは
私に見えるはずもない
波瀾万丈の人生の風景

だったのではないかと思います


1979年に
ここ聖地セントアンドリュースオールドコースで
日本人として戦い7位タイで終わった
若かりし頃のゴルフファー青木功が
見えたのでしょうね


青木さんと戸張さんは最後に
「残りの人生いろんなところでゴルフをしよう」
と言っていたのが印象的でした

きっと
ゴルファーとして生きてきた
自分の人生への感謝を言うために
いろんなゴルフコースでプレイしたいと
思ったのでしょうね


私にも
自分の人生を振り返られる場所が
どこかにあるはずです

それがどこなのか
今はわかりませんが

残された人生が
人生の聖地を探す旅になることでしょう


お二人の今後の人生が
とってもとっても素敵なものなりますように

心からお二人に感謝を申し上げたいと思います

青木さん戸張さん
素敵な中継を今までありがとうございました


今日はこんな感動の話でした


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