「JR福知山線脱線事故」で私の妻が経験したこと
その日、夫は少し疲れ気味に家を出ました。しばらく終電帰りの日が続き、その週も忙しくなるのがわかっていたからです。元気のない声で「行って来ます」と夫が家を出てから1時間ほど経った9時30分頃、自宅の電話が鳴りました。電話は夫からでした。私は何か伝言でもあるのかなと、気楽に「どうしたの?」と尋ねました。しかし夫は荒い息遣いでこう答えました。「事故や…周りで人がいっぱい死んでる…」普段からあまり取り乱すことのない夫のうろたえた声に私は動揺し、瞬時にただ事ではないと思いました。状況は