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プリニウスと日本のポンペイ

古代ローマ愛好者の漫画家ヤマザキマリ氏がとりみき氏とタッグを組んだ作品「プリニウス」。主人公プリニウスはヨーロッパではかなり知られた人で、ウェスウィウス火山が噴火した時に、災害の現場に居合わせていのちを落としている。この火山噴火でポンペイの町が一日にして消滅したことは有名だ。

荒木飛呂彦氏のジョジョの奇妙な冒険の第5部にもポンペイが出てきた。犬の床絵が重要なカギになるのだが、これは悲劇詩人の家と呼ばれる場所に実在する。

わたしの職場である教会は、今は鞆の浦近くにあるが、以前の牧師の時代には草戸というところにあった。ここにはかつて草戸千軒町という都市があった。鎌倉時代から室町時代にかけて栄えたのだが、洪水によって消滅してしまった。このことから「日本のポンペイ」とも呼ばれる。

しかし、洪水が起こった時は、都市としての最盛期は過ぎていたらしい。昭和に入って遺跡の発掘が始まったのだが、とても国際的な場所だったようで、中国や朝鮮半島のものも見つかっている。

教会と言う場もそもそもが国際的な存在なのだが、国際的な広がりを持つ遺跡の近くに期せずして教会が建っていたということになろうか。その後、鞆の浦に近い場所に移るのだが、鞆の浦自体も様々な史実が残る国際的な港だ。瀬戸内という土地柄自体はそういう場所なのだろうとも思う。海は世界に繋がっている。

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