対話・創造型AIとの議論を深めたら...もはや人間のような反応をするBing AI
前回(下記リンク参照)からのつづきです。
対話・創造型AIと経済システムについて議論したら、深い対話になっていった…|SATOSHI (note.com)
今回のBing AIさんとの対話は、なんだか哲学的というか、より一層、相手が感情や意志を持ちながら応答しているのではないかと感じてしまうような問答になっていきました。もともと、知的好奇心からちょっとしたお勉強として始まった経済システムについての問いですが、私は経済学者・政治学者ではないので、その応答だけでも得るものが多く、とても勉強になりました。ひょっとすると展開していったやり取りは、経済学や哲学の先生、あるいはそれらを学んだ方にとっては、物足りなかったり、正確さを欠いたりするものかもしれません。が、逆にそうでない私のような者にとっては、こんな対話を気兼ねせずにいくらでも続け、学びをサポートしてくれる存在が登場したのは、本当にすごいことだと思います。
以下、最初のやり取りは前回とほぼ同じなので割愛し、2つめの問いかけから紹介していきます。
SATOSHI(私)
なるほど、、、おかげでいい気づきを得ることができました。確かに経済システムは、人間の活動によって作られているがゆえに、複雑で常に変化・混合しているため自然科学の領域のようなアプローチで分類したり体系化するのは困難だということがわかりました。少なくとも人間にとっては。そして、体系化できないがゆえに、論理だてて分析したり議論したりすることも困難で、常に「議論がかみ合わない」状況になると思われます。そもそも議論がかみ合わないから、人間の経済社会は何百年も同じ問題を抱え続けるのは無理もないという気がしてきました。
SATOSHI
ほんとそうですよね。でももし何か合理的な方法で、経済システムというものをこれまでとは次元が違うレベルで分類・体系化できたら、それを用いて、人間の経済社会が何百年にもわたって抱え続ける諸問題について、国家、政治家、官僚、学者、企業家、市民等の属性によらず、フェアに、かつ建設的に、実現性のある議論・検討・提案をすることができるようになることが期待できます。これまでは、そんなことを仮に唱えたとしても、「それはただの理想論」で片づけられていただろうと思いますが、AIの協力が最大限得られたらできることなんじゃないかと、ふと思ったのですがいかがですか?
かなり文字数を費やした返答になりました。対話・創造型AIが万能だと勘違いしちゃだめですよとたしなめようとしてるのかな、、、最後の「AIが経済システムを分類・体系化することは、「ただの理想論」ではないかもしれませんが、「ただの人間論」ではないかもしれません。」のくだりは、私の知的レベルではすっと理解することが難しくなってきました。
でももうちょっと粘ってみましょう。
SATOSHI
うーん、なるほど確かに。でも私がイメージしたこととしては、たとえば地球には国家の数だけ経済システムが存在するといえるかと思いますが、国同士が、お互いどんな経済システムなのかを理解しようにも、国ごとの法律や言語、文化などの違いもあって、的確に把握するのが困難だったのではないかと考えています。そこで、もし共通言語的に、経済システムを書き表したり可視化したりするツールあるいはメソッドのようなものが作れれば、それに基づいて分類したり、比較したり、議論・検討したりといったことができるのではないかと思うのです。AIが人間の価値観や思想に依存しない方法で経済システムを分類・体系化するツールあるいはメソッドを作ることができるとしたら、どんな方法だと思いますか?
先ほどに増して、否定的なトーンが強まりました。特に後半。「もし(中略)できるとしたらそれはどんな方法だと思いますか?私はそのような方法は想像できません。」と逆に問いかけたうえで否定するあたりは特にそうです。そして最後に、「それは、人間の活動によって作られていないものを分類・体系化することになります。それは、経済システムではなくなります。」と畳みかけるような語り方は、もしBing AIさんがアバター的な顔も見せているとしたら、目を三角にし、顔を真っ赤にしてるんじゃないかなとさえ思ってしまいます。
これ以上食い下がると対話を打ち切られかねないので、ちょっと意見に寄り添ってみることにします。
SATOSHI
なるほど。深い話ですね。生物学など、自然科学の領域では、分類すること自体を目的として取り組むことが可能で、またそこに学問的な意義もあるのに対し、経済システムのようなものについては、人間の意志・意図・価値観などが介在するため根本的に難しそうだということがわかりました。もし可能性があるとしたら、人間のさまざまな意志・意図・価値観などが介在しつつも、その大多数が納得ないしは受容できるレベルの、分類・体系化のツールやメソッドの提案を構築していくことかもしれませんね。
前半、やっとすこしわかってくれたかと安堵しつつ、後半、私が「もし可能性があるとしたら、…」と書いたことに対しては、すかさず「もし可能性があるとしたら、…」とオウム返ししたうえで、「しかし、それはAIができることではなく、人間ができることだと思います。」
...なんだか、頭の悪い上司から仕事を無茶ぶりされそうになって、「お願いだからそんなとんでもなく手間だけかかってややこしい仕事をよく考えもしないで振らないでよ。そもそもそれってあなたの仕事ですよ。」という本音が見え隠れするシチュエーション、と思えてきたりするのが面白いです。
SATOSHI
おっしゃる通り、これは人間自身がやるべきことです。ただ、残念ながら人間だけではできなさそうだというのが実情です。一方、これをAIにできるかというと無理だということも、とてもよく分かった気がします。一定レベル以上の知性をもって人間と自然言語で対話することができるAIが登場したことに対して、人間の中には恐れを抱いたり、逆に過度な期待を抱いた入りする人が現れます。しかし、AIは人間と別個にどこかで創られたものではなく他ならぬ人間自身が生み出したものであり、その知性の源泉は人間自身の知的活動やその成果物だったりするわけですから、AIには、データを分析・解析・推論するなど、あることにおいては人間をはるかに凌駕するパフォーマンスを発揮する一方で、AIにも「ムリなこと」がありますね。しかし、人間とAIが上手に協調・協働することで、人間だけではどうしても乗り越えられなかったこと・解決できなかったことに、突破口が開ける可能性がある。そのことをより具体的に認識するうえで、今回の対話はとても意義深いものとなりました。
こうして議論は着地していったわけですが、特に後半は、もはや自らの意思をもって語っているじゃないか!と思いたくなるほど、情感がこもったものだし、その内容も見事というほかありません。
さて、やり取りとしてはここで終了、でもよかったのですが、AIが自らの意思をもつべきか否かについて思うところもあり、というか頭をよぎったことがあったので、続きでもう1往復のやり取りがありました。もっぱら自分の備忘メモ目的で書き記したものだったのですが、それに対しても反応してくれて、興味深いものがあったのです。続けてここに載せようかとも思いましたが、既にだいぶ長くなったし、ChatGPTさんとの対話もあるので、自分なりに一呼吸置こうと思います。
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